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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年6月14日 No.3089 海上保安庁の重要政策課題について説明聞く -海上保安庁担当官から/海洋開発推進委員会総合部会

経団連は5月25日、東京・大手町の経団連会館で、海洋開発推進委員会総合部会(山脇康部会長)を開催した。当日は、海上保安庁総務部の東井芳隆政務課長を招き、海上保安庁の重要政策課題について説明を聞くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ 海上保安体制の強化

沖縄の尖閣諸島周辺で中国の活動が活発化するなど、緊迫化する国際情勢に対応するため、海上保安体制の強化に向けた法改正や巡視船の整備に取り組んでいる。
海上保安庁の改正案では、海上保安官が離島における犯罪に対処することを可能にする。また、領海等における外国船舶の航行に関する法律の改正案では、やむを得ない理由がなく領海で停留している外国船舶に対して、勧告を経たうえで立入検査をせずに退去命令ができるようにする。この改正法案は、国会に提出されている。
北朝鮮の不審船や工作船への対応については、高速巡視船等の整備を行うほか、海上自衛隊との共同訓練を行っている。

■ 海賊対策

マラッカ・シンガポール海峡の海賊問題に対して、海上保安庁はマレーシアの人材育成への支援などを行ってきたが、関係国の取り組みの強化もあり、10年間で海賊の発生件数は減少した。
現在、ソマリアの海賊が大きな問題になっており、日本関係船舶も被害に遭っている。これについては、2009年に成立した海賊対処法に基づき、ソマリア沖・アデン湾では海上保安官8名が海上自衛隊の護衛艦に同乗して海賊対策に取り組んでいる。国際海事機関(IMO)では民間武装警備員について議論されているが、まずは民間の船舶の自助努力が大事である。

■ 海洋調査

今年4月に、国連大陸棚限界委員会の勧告により、わが国の大陸棚延長申請の一部が認められた。海上保安庁も大陸棚調査を実施し、貢献してきた。
今後は東シナ海や日本海における海洋調査を推進することとしており、精密な海底地形調査のため、自律型潜水調査機器(AUV)を導入する。
また、海洋に関する情報の一元化に取り組んでおり、海洋情報を活用していただけるツールの整備も進めている。

<意見交換>

山脇部会長が、「必要な海洋情報について政府で議論しているのか」と質問したところ、東井課長は、「海洋調査の結果、有効なものは関係省庁と共有している。戦略的な調査をするため、ビジネスの知恵を借りたい」と答えた。

【産業技術本部】

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