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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年7月26日 No.3095 リオ+20の結果について外務省・南参事官と懇談 -リオ+20タスクフォース

1992年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(リオサミット)から20周年を迎えた今年、6月20日から22日にかけて、同じくリオで国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催された。同会議には、98名の首脳や多数の閣僚から市民に至るまで世界中から約4万人が参加し、各層でグリーン経済のあり方等に関する議論が行われた。また、政府間交渉の結果、「我々の求める未来」と題する成果文書が採択された。

経団連では、環境安全委員会および経団連自然保護協議会に設置された「リオ+20タスクフォース」を中心に、地球規模の持続可能な社会の実現に向けた産業界の考え方を発信してきた。そこで、会議終了後の7月2日、タスクフォース会合を東京・大手町の経団連会館で開き、リオ+20の結果について、外務省の南博国際協力局参事官から説明を聞き、意見交換を行った。
南参事官の説明概要は次のとおり。

■ 成果文書の概要

先進国には途上国への援助を拡大する財政的な余裕がない一方、途上国においては、中国やインドのような新興国と最貧国との分化が顕著となっているなか、内容の濃い成果文書を取りまとめるには至らなかった。

議題の一つである「グリーン経済」への移行に関しては、途上国が先進国から新たな足かせを課されると警戒感を示し、「グリーン経済への移行に際しては、先進国から技術や資金の移転が不可欠」と主張したため、成果文書は、効果の乏しい内容となった。また「グリーン経済の実施がそれを追求する国による共通の取り組み」とされ、「追求しない国にとっては関係のないもの」とも解釈できる文言となった。

もう一つの議題であった制度的枠組みに関しては、欧州やアフリカ諸国等が、現行の国連環境計画(UNEP)を条約に基づく機関へと格上げしようと企図したのに対して米国等が難色を示したため、成果文書ではUNEPの強化という表現にとどまった。具体的な内容については、今年秋の国連総会で決議を採択することとなる。

SDGs(持続可能な開発目標)に関しては、2015年以降の国連開発アジェンダと整合的なものとして統合すべきことが合意された。今後の進め方として、先進国は専門家が集まって検討する方式を求めたが、途上国は政府間で交渉することを主張。最終的には、途上国の要求どおり、政府間で交渉し、国連総会等の場での議決を目指すこととなっており、政治的な内容になることが懸念される。

【環境本部】

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