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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年8月2日 No.3096 第1回「経団連 Power Up カレッジ」開催 -「ダントツ経営」をテーマにコマツの坂根会長が講演

経団連事業サービス(米倉弘昌会長)は、経団連会員企業の若手・中堅社員を対象に、今後の人生航路の羅針盤となり得るような講話を企業経営者から聞く「経団連 Power Up カレッジ」をスタートした。7月10日、東京・大手町の経団連会館で開催された第1回は、コマツの坂根正弘会長が「ダントツ経営」をテーマに講演した。講演の概要は次のとおり。

代を重ねるごとに強くなる企業を目指そう

◆ 問題の本質や物事の大局を「見る」

私は世界の基本的変化を、短・中期20~30年、中長期50~100年、超長期200~300年と1ケタ上のスパンで見るようにしている。そうすると明日のことはわからなくとも世界の変化の本質は間違わない。まず短期。建設・鉱山機械の地域別需要構成比を見ると、世界は日米欧時代からアジアを中心とした新興国時代に移ってきたことがよくわかる。次に中長期。この100年の急速な人口増と都市化は、インフラ整備の増加、エネルギー消費量の拡大を意味し、「資源・エネルギー」「食糧・水」「地球環境」「医療」が世界共通の課題となる。超長期では、地球の歴史をカレンダーで表すと、その大きく変化した100年は大晦日の最後の0.7秒であり、化石燃料はあと2~3秒で枯渇する。化石燃料の消費をできる限り抑制しながら、代替エネルギーの技術革新に注力していくことこそ、現世代のわれわれがやるべきことである。

◆ 強みを磨き、弱みを改革

日本企業はモノづくりでは負けない。しかし、固定費が高いことから競争力を失っている。コマツでは、営業赤字を出した2001年度に徹底的な経営構造改革を行った。固定費を約500億円削減するとともに、リーダーの責任と権限において犠牲にするところを指示し、他社が数年は追いつけない特長を有する「ダントツ商品」に特化することとした。「環境・安全・ICT」をキーワードとするダントツ商品には、ハイブリッド油圧ショベル、GPSを使った建設機械の稼働状況管理システム「KOMTRAX」、無人走行機能を備えた超大型ダンプトラックの総括制御システムなどがある。

◆ ブランドマネジメントと「ダントツ経営」

コマツでは、04年に企業価値を「全ステークホルダーからの信頼度の総和」と定義して活動を開始した。その後、ステークホルダーを「企業価値を創る人」と「企業価値を評価する人」に分けて考え、唯一両方を担う顧客にとっての価値創出のため、「コマツでないと困る度合いを高め、パートナーとして選ばれ続ける存在となる」ことを目指すブランドマネジメントを始めた。そのためには、「ダントツ商品」だけでなく、顧客の稼働コストの低減、安全オペレーションの実現、稼働データのリアルタイムの把握など「ダントツサービス」も提供しなければならない。さらに、KOMTRAXによる需要予測で代理店在庫ゼロ、販売機会損失回避など“変化”に即座に対応できる「ダントツ経営」を目指している。

◆ 言葉力が人を動かす

リーダーにとって言葉は命である。事実・全体・本質を「見る」ことがすべての出発点である。そして、聞く者を腹落ちさせ行動を引き出すように「語る」。さらに、行動と実績を伴うように「実行する」ことが大事である。私が、「『言う』を『成す』」=「誠」と一緒に座右の銘としているのが、「知行合一」である。着眼大局、着手小局で、全体最適はこの方向だと思ったら、まず行動に移してみるようにしている。「四の五の言わず、一、二をやろう」。将来のリーダーとなる方々には、知行合一で学び、自分だけの言葉力を磨くことをお薦めしたい。

【経団連事業サービス】

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