1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2012年10月25日 No.3106
  5. 第48回洋上研修団帰国

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2012年10月25日 No.3106 第48回洋上研修団帰国 -職場の「ありたい姿」をグループ討議通じて追求

講演する大塚名誉団長

「強い組織・熱い職場をつくる」を総合テーマに研修をスタートさせた第48回経団連洋上研修団の一行が12日、8日間の日程を終え帰国した。

今回は、全国の企業・団体から管理・監督者145名が参加。船内研修では参加者一人ひとりが熱心な討議を重ね、行動計画を策定するとともに、寄港地台湾では企業や団体を訪問し、活気ある台湾の実情を視察した。

船内研修で参加者は4つの班に分かれ、さらに6人から7人のグループで討議を実施。各班には教育・研修に通じた企業のコーディネーターが付き、討議方法などを指導した。

グループ討議を前に、名誉団長を務めた大塚陸毅経団連副会長(東日本旅客鉄道相談役)が「たゆまざる経営」と題して特別講演を行った。そのなかで大塚名誉団長は、「一人のアイデアや独創だけではモノにならない。共鳴する仲間がいて、それを組織として具体化してはじめて成功につながる。いいアイデアには金平糖のようなトゲがあるが、トゲを活かすような組織風土でなければいけない」と述べ、これから始まるグループ討議に大きな期待を寄せた。

さらに、前半のアドバイザーとして乗船した浜田正幸・多摩大学准教授が「組織を強くする人材育成」をテーマに講演。自身の経験をもとに、さまざまな示唆や助言を与えた。

二つの講演を受け、グループ討議は職場で直面している課題を集約・整理することからスタート。抽象度の高い課題を具体的なテーマに分解・構造化する過程のなかで、アドバイザーや講師、コーディネーターらの厳しい質疑に、「平面的に終わってはいないか」「自分の問題としてしっかりとらえているか」など、幾度も議論を重ね、練り直したうえでテーマを決定した。

次に、決定したテーマについてあらためて主旨を明確に表し、各自の問題意識としてまとめたうえで班内発表会に臨んだ。発表会では各グループが、テーマ決定に至る過程を相互に評価し、研修前半のフィードバックに結び付けた。

後半は、決定した討議テーマをもとに、職場の「あるべき姿」と「いまの姿」、さらに「ありたい姿」を追求。今後、管理・監督者として行動すべきアクションプランを短期・中長期に分けて策定し、掲げた「ありたい姿」を必ず実現させることを全員が約束した。

研修終盤の班内発表会では、研修報告会で発表する代表グループを投票で決定し、報告会に臨んだ。

報告会では各班代表のプレゼンテーションを受けて、講師として乗船した柿内幸夫・慶應義塾大学大学院経営学研究科特別招聘教授が、「皆さん全員が間違いなく確実に成長した。職場に戻って必ず実行するに違いないということを確信できた」と評価。続いてチーフアドバイザーを務めた野田稔・明治大学大学院教授が、「最初は無関心であったかもしれないメンバーが、まわりの仲間との相互作用のなかで全員が強い関心をもち『自分ごと化』していった経験を大切にしてほしい」と訴えた。

研修日程半ばの寄港地台湾では、東元集團、長栄海事博物館、国瑞汽車、工業技術研究院、台湾高速鉄道およびフランツ(陶磁器メーカー)の六つの企業・団体を訪問。事業概要の説明や工場・製造現場見学、質疑応答などを通じて台湾企業の躍進を実感した。

グループごとに行われた課題研修

【経団連事業サービス】

「2012年10月25日 No.3106」一覧はこちら