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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年2月14日 No.3119 関西会員懇談会を開催 -「決断と実行による日本の再生」をテーマに意見交換

関西会員懇談会であいさつする米倉会長

経団連(米倉弘昌会長)は1月31日、大阪市内で関西会員懇談会を開催した。懇談会には、米倉会長はじめ審議員会議長、副会長、関西地区の会員企業代表者約380名が出席し、日本経済再生に向けて取り組むべき課題などについて懇談した。

開会あいさつで米倉会長は、景気の先行きをめぐる不確実性や、電力の供給不安・コスト増といった日本経済が直面する諸課題を念頭に、「わが国は課題山積の状況にあるが、企業ならびに国民一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮することで、難局を乗り越え、再び力強い成長を実現できる」と述べた。また、2012年度補正予算案を速やかに成立させ、執行することで「本格的な復興に向けた動きを加速していくべき」と指摘したうえで、安倍政権に、法人実効税率の引き下げや大胆な規制改革など成長を促進する経済対策の実施、エネルギー・環境政策の抜本的再構築、経済連携の実現を含む諸外国との協力の強化などを求めていくことを強調した。

■ 活動報告

活動報告ではまず、小島順彦副会長が、設備投資の拡大とイノベーションの加速、サービス産業の生産性向上が経済低迷脱出のカギであるとし、経団連が経済対策に盛り込むべき課題を取りまとめた「今後の経済運営に関する基本的考え方」を紹介。経済財政諮問会議や産業競争力会議での議論にも反映させたいと述べた。

大宮英明副会長は、政府は今夏の電力需給見通しと対策を今年度内に明らかにするとともに、今後3年から5年程度の電力の安定供給を確保するための方策を早期に明示する必要があるとした。また、中長期のエネルギー政策については、原子力を含む多様なエネルギー源維持の観点に立ち、時間をかけてゼロベースでエネルギー政策を議論し直すべきと述べた。

渡辺捷昭副会長は、1月24日に閣議決定された「平成25年度税制改正大綱」のポイントを報告したうえで、法人実効税率の引き下げや自動車重量税の廃止など、今回の改正で積み残しの課題となった点について、引き続き経団連の主張を訴えていくとの考えを示した。

川村隆副会長は、イノベーション創出を担う人材やグローバル人材の育成に向けて、経団連が取り組んでいる人材育成関連プロジェクトである「経団連グローバル人材スカラーシップ」「経団連グローバルキャリア・ミーティング」「グローバル人材育成モデル・カリキュラム」について報告した。

渡文明審議員会議長は、経団連が道州制の導入を強く政治に働きかけた結果、主要政党のマニフェストに道州制の推進が掲げられたことを紹介し、引き続き道州制基本法の早期成立、内閣への道州制推進本部の設置などを働きかけていきたいと述べた。

三浦惺副会長は、農業政策に関して、「競争力強化」「成長産業化」「直接支払制度の改革」を三つの柱と位置付けたうえで、これらの改革を通じて、TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする経済連携協定とも両立できる「力強い農業」を早期に実現していくべきとの考え方を説明した。

篠田和久副会長は、「2013年版経営労働政策委員会報告」の概要を説明したうえで、労使交渉・協議において労使が自社の置かれた状況や危機感を正しく共有し、議論を尽くすことの重要性を訴えた。また4月から施行される改正高年齢者雇用安定法や改正労働契約法など、最近の労働法制をめぐる動向について報告した。

■ 自由懇談

自由懇談では、関西地区を代表して、ダイハツ工業の奥村勝彦会長、沢井薬品の澤井弘行会長が発言。奥村氏は、同社が注力するインドネシア市場における事業展開の現状・課題について説明するとともに、経団連が昨年7月に公表した提言「日本インドネシア経済連携協定の高度化を求める」に言及し、人材育成の面からみた人の移動の円滑化や、現地企業の長期経済発展のためのビジネス環境の整備等、経済連携の一層の推進を訴えた。

澤井氏は、ジェネリック医薬品市場の現状と課題を説明したうえで、毎年1兆円のペースで増え続けるわが国の国民医療費に鑑み、安価なジェネリック医薬品の使用を促進することで、国民皆保険制度の持続可能性を強化していくべきとの考えを示した。

これらの発言に対し、勝俣宣夫副会長は、内需主導で6%台の高成長を遂げるインドネシアは、わが国企業にとって有望な市場である一方、いまだ多くの貿易投資障壁が残存していると指摘し、経団連としても会員企業の具体的な要望が反映されるよう、インドネシアの貿易投資環境の整備に向けた官民連携の働きかけを行っていると説明した。

また、奥正之副会長は、急速に進む高齢化によって社会保障給付費が増大し、それに伴う家計や企業の社会保険料負担の増加が、わが国経済や国民生活に多大な影響を及ぼしかねないと指摘したうえで、医療分野における給付の効率化・重点化の具体策の一つとして、ジェネリック医薬品の使用促進に向けた働きかけを、関係各方面に行っていくとの考えを示した。

懇談の最後に発言した森詳介関西電力会長は、経済や社会の大前提である電力の安定供給を確保するため、安全が確認された原子力プラントの一刻も早い再稼動に向け、政府への働きかけを強化していくよう訴えた。また、関西の経済再生に向けたプロジェクトとして「関西イノベーション国際戦略総合特区」や、大阪駅北側に位置する再開発地区「うめきた」の取り組みを紹介した。

総括した米倉会長は、経団連として、引き続き日本経済の再生に向け全力で邁進するとの決意を述べ、関西地区の会員企業の協力を強く求めた。

【総務本部】

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