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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年9月26日 No.3147 地球温暖化対策をめぐる動向と今後の見通し -21世紀政策研究所の澤研究主幹と懇談/環境安全委員会

地球温暖化対策に関して今年1月、安倍首相は11月にポーランドのワルシャワで開催される国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)までに「25%削減目標をゼロベースで見直すとともに、技術で世界に貢献していく攻めの地球温暖化外交戦略を組み立てる」よう指示した。
これを受け、政府では現在、同戦略の策定や温室効果ガス削減目標の見直し等について検討が行われている。
そこで、経団連の環境安全委員会(坂根正弘委員長、天坊昭彦共同委員長)は3日、東京・大手町の経団連会館で会合を開き、21世紀政策研究所の澤昭裕研究主幹から、地球温暖化対策をめぐる動向と今後の見通し等について説明を聞き、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 国連気候変動交渉における主な動向

温室効果ガス削減に関する2020年以降の将来枠組みについては、15年に妥結すべく、国連交渉が進められている。今後、潘基文国連事務総長主催の首脳級会議(14年9月予定)に向けて、議論が本格化していくと考えられる。
米国は、主要途上国を含むすべての国の参加を前提に、各国がそれぞれの実情に応じた貢献目標を提出・誓約し、6カ月程度かけて各国が検証する、いわゆる「プレッジ・アンド・レビュー」方式を提案し、国際的な議論が活発化している。
EUも米国と類似の方式をベースに、各国が14年中に20年以降の目標の草案を提出するよう呼びかけている。
これに対し、途上国の一部は「共通だが差異ある責任」原則(注)に基づき、先進国が率先して高い目標を掲げるよう強硬に主張している。
今後、政府間で具体的に議論を詰めていくなか、わが国としては、特に米中の動向を注視しつつ、日本産業界のこれまでの主張や取り組みにもかなう「プレッジ・アンド・レビュー」方式を後押しすることが肝要であろう。

(注)「共通だが差異ある責任」原則=すべての国・地域は、人類の活動によってもたらされた温暖化に「共通」の責任を有するが、温暖化の主な原因をもたらした先進国と途上国では責任に「差異」があるとの考え方

■ 国内の当面の地球温暖化対策にかかる主な動向

日本政府は、京都議定書目標達成計画に代わる新たな地球温暖化対策計画等と並行して、エネルギー基本計画の検討を進めているが、最大のポイントは、温室効果ガス削減目標に大きな影響を与える原子力政策のあり方である。
日本産業界としては、13年度以降の低炭素社会実行計画が政府の計画に適切に位置づけられるよう、自らの削減目標もさることながら、低炭素製品の開発・普及や技術移転等を通じた国際貢献、革新的技術の開発等について内容面の充実を図ることが重要であろう。

■ 今後の留意点

今後の国連気候変動交渉において、日本政府としては、削減目標値の多寡に拘泥することなく、適切なタイミングを見計らいながら、技術開発も包含した具体的な行動を伴う貢献策を示していく必要がある。その際、「低炭素社会実行計画」など、日本産業界ならではのユニークな取り組みを国際的にアピールすることも有効であろう。

【環境本部】

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