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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2013年11月28日 No.3156 北極海めぐる動向で説明聞く -内閣官房、国交省、文科省から/海洋開発推進委員会総合部会

経団連は15日、東京・大手町の経団連会館で、海洋開発推進委員会総合部会(山脇康部会長)を開催した。当日は、梅澤彰馬内閣官房総合海洋政策本部事務局参事官、村田茂樹国土交通省総合政策局海洋政策課課長、小池良高文部科学省研究開発局海洋地球課極域科学企画官を招き、北極海をめぐる動向について、説明を聞くとともに意見交換を行った。会合の概要は次のとおり。

■ 北極政策の推進に向けた動き(内閣官房)

わが国としては、北極海について、環境、航路、資源、安全保障分野の影響や変化に注目している。今年4月に閣議決定された海洋基本計画では、重点的に推進すべき取り組みの一つに北極政策を位置づけた。

北極圏の環境保護を目的とする政府間協議体である北極評議会は、ロシアや米国などの8カ国で構成されている。今年5月に、わが国は北極評議会のオブザーバーとして参加することが認められた。

政府全体として、北極海をめぐる課題について情報共有と連携を図り、総合的かつ戦略的に取り組むため、7月に内閣官房総合海洋政策本部事務局をはじめ関係省庁の部局で構成される連絡会議を発足させた。

■ 北極海航路の活用に向けた取り組み(国土交通省)

近年、北極海では氷が溶けて、夏期(6~11月)の航行が可能になった。北極海航路はスエズ運河を経由する航路と比較して約6割の航行距離である。近年、北極海航路を利用してLNGなどを輸送する船舶がわが国に到着している。

国土交通省としては、北極海航路に関する運航などの制度の改善、既存ルートとの競合関係の把握、北極海における環境対策などについて取り組んでいる。今年度には北極海航路の輸送コストなどについて調査を行い、来年度には北極海航路に関する官民連携の協議会を立ち上げる予定である。

また、諸外国の動向として、ロシアでは、今年1月に北極海航路法を改正し、申請条件を緩和した。北極海航路では、ロシアの国営企業が運航する砕氷船を使用することが義務づけられている。中国、韓国、欧州も北極海を活用している。

■ 北極をめぐる調査・研究の動向(文部科学省)

北極海の氷の減少などを受けて、文部科学省としては、北極の観測拠点の整備や、大気や海洋・海水などの観測を実施している。2011年には、北極気候変動研究プロジェクトを開始した。その目標として、北極海航路の利用可能性を判断する際の海氷分布の将来予測等がある。また、最近の主な研究成果として、北極海の氷の減少により、日本の冬が寒くなったことなどが挙げられる。

【産業技術本部】

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