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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年5月22日 No.3177 提言「流通・取引慣行ガイドラインの見直しについて」公表 -流通取引めぐる状況の変化への対応を求める

経団連は15日、提言「流通・取引慣行ガイドラインの見直しについて」を取りまとめ公表した。
提言では、1991年に制定された「流通・取引慣行ガイドライン」(以下、現行ガイドライン)の問題点等を指摘したうえで、公正取引委員会に対し、ここ20年における流通取引をめぐる状況の変化等を踏まえた新しいガイドラインの策定に早急に取り組むことを求めている。提言の概要は次のとおり。

■ 見直しの必要性

現行ガイドラインが制定されてから20年以上経ち、この間にわが国の流通取引をめぐる状況は大きく様変わりした。インターネット通販などの拡大により、商流や消費者行動は大きく変化し、事業者による多種・多様な商品・サービス展開の必要性が増した。一方で、流通市場構造の変化により、小売とメーカーとの間など当事者間の関係も大きく変化している。

また、現行ガイドラインは、その抽象的でわかりにくい記述のためにビジネスに大きな萎縮効果をもたらしており、事業者にとっての予測可能性を高めるため、公正取引委員会は新しいガイドラインの策定に早急に取り組むべきである。

■ 新しいガイドラインにおいて重視すべき点

  1. (1)違法性判断の枠組み
    垂直的制限の違法性は、競争促進効果と競争阻害効果とを比較衡量して判断されるべきことを総論部分に明確に記載し、これに沿った運用を確実なものとすべきである。

  2. (2)「価格維持のおそれ」
    現行ガイドラインでは、非価格制限行為の判断要素として「価格が維持されるおそれ」という言葉がくり返し使われているが、具体的なメルクマールが示されていない。どのような場合に「おそれ」が生じるのかを明らかにする必要がある。

  3. (3)流通調査
    現行では、流通調査自体は違法ではないものの、流通調査をしたうえで価格拘束につながる行為を行った場合には再販売価格維持行為として問題となり得るため、消費者にとってもメリットがある合理的な流通調査でさえ躊躇されている。どのような場合に再販売価格維持行為として問題となるのかをできるだけ具体的に明記し、必要な流通調査を行いやすい環境を整えるべきである。

  4. (4)選択的流通
    商品の安全性や品質について十分な情報提供を行うなどの適切な販売方法やアフターサービスを実施するために、メーカーが自社商品を取り扱うことのできる流通業者の範囲を限定する販売方法である選択的流通を行うことができる場合や要件を明確にし、メーカーと流通とが協働して適正な商品価値を消費者に届けられるようにすべきである。

  5. (5)広めに定められた形式的基準の撤廃
    現行ガイドラインは、有力な事業者の基準を市場シェアの10%以上とするなど、規制の範囲をあらかじめ広くとらえ過ぎている。合理的かつ明確な基準に見直したうえで、基準を上回る場合であっても、個別に審査された結果、競争阻害効果が発生しない場合には違法とならないことを明確に記載すべきである。

  6. (6)わかりやすい(参照しやすい)構成
    現行ガイドラインの構成を含め見直し、ある行為に関し、どのルールを確認すればよいのかが一目でわかるガイドラインとすべきである。

※全文は http://www.keidanren.or.jp/policy/2014/048.html 参照

【経済基盤本部】

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