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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年7月3日 No.3183 国土強靭化政策の推進状況を聞く -国土強靭化基本計画およびアクションプラン2014の政府決定を受けて
/地域基盤強化委員会

経団連(榊原定征会長)の地域基盤強化委員会(大塚陸毅委員長、川合正矩共同委員長)は6月18日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、藤井聡内閣官房参与・京都大学大学院教授、北村隆志内閣官房国土強靭化推進室次長から、政府における国土強靭化の取り組みについて説明を受け、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 国土強靭化政策の基本理念と推進体制(藤井内閣官房参与・京都大学大学院教授)

国土強靭化政策等を説明する藤井氏

国土強靭化政策の基本理念は、来るべき大規模災害によりわが国が瀕するであろう危機を真摯に想定したうえで、優先順位をつけながらその対策を実施していくことである。

第2次安倍政権発足後、政府での国土強靭化政策としてナショナル・レジリエンス懇談会が発足、その座長を務めているが、地方との関係も含めた分野横断的な検討が不可欠であるとの観点から、多分野の学識者、財界人、県知事から委員は構成されている。必要な施策は、関係省庁すべてが検討を行い、内閣官房国土強靭化推進室がその取りまとめを担っている。同時に、自民党内でも二階俊博衆議院議員を会長とする国土強靭化総合調査会において基本法の成立(2013年12月)等の取り組みが行われている。政府と与党が緊密に連携しながら、国土強靭化政策を推進している。

■ 政府における国土強靭化の取り組み(北村内閣官房国土強靭化推進室次長)

政府の取り組みを説明する北村氏

6月3日に「国土強靱化基本計画」ならびに、14年度の具体的な施策方針である「国土強靱化アクションプラン2014」が決定された。

基本計画では、基本的な考え方として、「自律・分散・協調」型の国土の形成、施策の重点化、ハード対策とソフト対策の適切な組み合わせ、既存社会資本の有効活用等による費用の縮減、PPP/PFIによる民間資金の積極的な活用、PDCAサイクルのくり返しによるマネジメント等を掲げている。

個別施策分野の推進については、「起きてはならない最悪の事態」を想定し、既存のインフラやシステムがそれに耐えうるのかという観点から、脆弱性の評価を行ったうえで推進することとしている。また、例えばインフラの維持補修については、技術開発により効率化の余地は大きい。

この基本計画を踏まえた今年度の施策方針である「国土強靱化アクションプラン2014」では、施策の進捗管理における重要業績指標(KPI)等の具体的な数値目標の設定、定量化を柱としている。例えば、住宅の耐震化率を2020年に95%に引き上げることや南海トラフ巨大地震の被害想定地域等での海岸堤防等の整備率を2016年に約66%に引き上げることを掲げている。加えて、実効性を持たせるためには、ソフト面での推進を図ることも必要である。

今後、アクションプランの推進や各地域での国土強靱化地域計画の策定等、国土強靱化政策の具体化へ向けて大きく前進していくためには、国・地方・民間が一体となって取り組んでいくことが重要である。

【政治社会本部】

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