1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2014年7月17日 No.3185
  5. 第47回東北地方経済懇談会を開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年7月17日 No.3185 第47回東北地方経済懇談会を開催 -イノベーションによる「新しい東北」創造と「日本再興」の実現へ

経団連と東北経済連合会(東経連、高橋宏明会長)は9日、仙台市内で「第47回東北地方経済懇談会」を開催した。懇談会には、経団連から榊原定征会長はじめ審議員会議長、副会長らが、東経連から高橋会長はじめ会員約200名が参加。「イノベーションによる『新しい東北』の創造と『日本再興』の実現」を基本テーマに意見交換を行った。

また、懇談会後のパーティーには村井嘉浩宮城県知事が出席し、参加者と懇談した。

なお、懇談会に先立ち、8日には宮城県石巻市、女川町を訪問(前号既報)、9日には多賀城市の「みやぎ復興パーク」を訪問した。同パークでは井口泰孝みやぎ産業振興機構理事長らから開設の経緯について説明を受けるとともに、パーク内の制御システムセキュリティーセンターではインフラ制御システムに対するサイバー攻撃のデモンストレーションを見学、東北大学次世代移動体システム研究会の施設ではケーブルを介さず急速充電が可能な電気自動車の試乗等を体験した。

◇◇◇

開会あいさつで東経連の高橋会長は、東北の復興・発展に向けた主要課題として「原子力発電の早期再開」「国際リニアコライダー(ILC)の誘致」「東北の魅力を訴求した観光の振興」の3点を指摘。スピード感を持った成長戦略の着実な実行を政府に求めるとともに、東北の経済界として、成長戦略を活かし、持続的なイノベーションの創出と新産業の育成を通じて国際競争力のある商品やサービスを生み出すことへの決意を表明した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、まず震災復興の加速に注力すべきとして、「新しい東北」の展望を示すには成長戦略の確実な実行が不可欠と強調。そのカギとなる技術革新と国民生活全般にわたるイノベーションの重要性を強調するとともに、国際的なイコール・フッティングの実現が急務と指摘。経団連としても東北の経済界と連携を図りながら、日本再興に向けた諸課題に全力を傾注して取り組むとの決意を述べた。

その後行われた意見交換では、以下11のテーマについて東経連から問題提起があり、これに対して経団連から、(1)復興の加速化に向け、会員企業・団体に被災地産品の消費拡大に向けた取り組み強化を積極的に呼びかける(岩沙弘道審議員会議長)(2)東京のみならず各地の経済連合会と連携し、国土強靱化に関する国民の理解醸成のためのシンポジウムを全国的に展開する(荻田伍副会長)(3)ILC等加速器関連プロジェクトの誘致には、莫大な建設・運営費用と社会的効果に関する説得力ある説明と国民の理解が必要(中西宏明副会長)(4)安全性を大前提に、エネルギーの安全保障(安定供給)、経済性、環境適合性の同時達成を目指す「S+3E」の適切なバランス確保を引き続き強く働きかける(佐々木則夫副会長)(5)地域の強みを組み合わせた産学官連携により、東北発の新産業創出が継続的に行われるイノベーション環境を創り出すことが重要(内山田竹志副会長)(6)観光産業の成長産業化に向け、東北が一致団結してPRできる機会の有効活用等、東北ブランド確立に向けた具体的活動の展開が重要(大塚陸毅副会長)(7)中国との草の根や地方都市間の交流継続、韓国経済界との直接対話の再開等を通じて、東北企業の海外展開を後押ししたい(石原邦夫副会長)(8)来年度の税制改正の具体的検討において、実質的な法人税減税の実現を引き続き積極的に働きかける(奥正之副会長)(9)自動車・医療機器産業に関する産学官の豊富な集積があり、広域経済圏としてわが国の成長を支える戦略地域である東北地方のイニシアティブに期待(古賀信行副会長)(10)東北地方の持ち味を活かした成長産業の創出に加え、大学を核とした産業クラスターの形成や農業の成長産業化の推進も重要(宮原耕治副会長)(11)道州制の今後の行方に関し、地方の市町村連携の推進に必要な規制改革等、地方が独力で成長できるような仕組みづくりの支援にも一層注力する(畔柳信雄副会長)――などのコメントがあった。

みやぎ復興パークでの電気自動車試乗体験

【総務本部】

「2014年7月17日 No.3185」一覧はこちら