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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年9月4日 No.3190 科学技術イノベーション政策の最新状況を聞く -久間総合科学技術・イノベーション会議議員から/産業技術委員会企画部会

経団連の産業技術委員会企画部会(須藤亮部会長)は8月20日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、久間和生総合科学技術・イノベーション会議議員および内閣府の政策担当者から、政府における科学技術イノベーション政策の最新状況について説明を受け、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ SIP・ImPACTを柱とする科学技術イノベーション政策の推進

今年5月に内閣府設置法が改正され、総合科学技術会議は、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)に改組した。CSTIによる司令塔機能の下、科学技術イノベーション予算戦略会議の開催、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)、革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)といったイノベーション創出に向けたプログラムを柱として、今後の科学技術イノベーション政策を推進していく。

予算戦略会議では、今年6月に閣議決定された「科学技術イノベーション総合戦略2014」の確実な実行に向けて予算の重点化を行う。現在、総合戦略の課題・取り組みに該当する個別政策を各省がアクションプランとして提案し、CSTIで各アクションプランを府省連携プログラムとして大くくり化し特定するプロセスを行っている。

SIPは、府省・分野の枠を超えて基礎研究から実用化・事業化までを見据えた研究開発を推進することを通じて、科学技術イノベーションを実現する。全10課題ごとに産学から選ばれたプログラムディレクター(PD)が出口戦略を含む研究開発計画を策定し、課題を強力にマネジメントする。10課題のうち5課題のPDが産業界から選ばれていることは特筆に値する。こうしたプログラムを継続的かつ力強く推進すべく、2015年度も同規模の予算を死守したいと考えている。

ImPACTは、実現すれば産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出を目指し、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進するプログラム(5年間の基金)である。米国国防高等研究計画局(DARPA)の仕組みを参考に、プログラム・マネージャー(PM)に研究開発のプロデューサーとして大きな裁量を与え、リスクを恐れないチャレンジを奨励するわが国初の取り組みである。12名の多彩なバックグラウンドを持つPM(産業界5名、大学6名、国立研究所1名)を選定。同プログラムで大きな成功事例を生み出すことで、わが国の産官学の各界が今後ハイリスクなイノベーションに取り組む際のモデルケースをつくっていきたい。

■ イノベーション環境創出、次期科学技術基本計画策定に向けて

第4期科学技術基本計画では、(1)科学技術から科学技術・イノベーションへ(2)分野別の重点化から課題対応型の重点化へ――という2点が大きなポイントであった。今後、第4期のフォローアップを行い、第5期の基本計画をつくり上げていく。第5期策定の舞台はCSTIであり、CSTIの議長である安倍首相のもとで計画をつくっていく。イノベーションのメインプレイヤー、メインパートナーは産業界であり、産業界抜きでは第5期はつくれない。今後とも産業界からの協力をお願いしたい。

【産業技術本部】

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