1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2014年11月6日 No.3199
  5. アジア欧州ビジネス・フォーラムに参加

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月6日 No.3199 アジア欧州ビジネス・フォーラムに参加 -深まる両地域の経済関係

左からマルチェガリア・ ビジネスヨーロッパ会長、
ファン=ロンパイ欧州理事会議長、バローゾ欧州
委員長(当時)、スクィンツィ・イタリア産業連盟会長

アジア欧州ビジネス・フォーラム(AEBF)が10月15、16の両日、イタリアのミラノで開催(ビジネスヨーロッパ、イタリア産業連盟共催)され、経団連から小林喜光ヨーロッパ地域委員会共同委員長らが参加した。

AEBFは、アジアと欧州との関係強化を目的として1996年に創設された政府間の「アジア欧州会合」(ASEM)の首脳会合が2年に一度開催されるのにあわせて行われる民間会議。ASEMに対して提言を行うことを主な目的としている。

今回は、「欧州・アジア間の経済統合を促進するビジネス関係の強化」をテーマに、(1)貿易・投資(2)食料・水(3)エネルギー・環境(4)インフラ――の四つの分野について提言が取りまとめられ、フォーラム終了後、ASEMに提出された。

フォーラムの1日目は、上記4分野をめぐって討議が行われた。特に、近年のアジア欧州の経済関係の緊密化を背景に、アジアとEUとの間の自由貿易協定(FTA)について活発な意見交換が行われた。

EUは韓国とFTAを締結済みであり、シンガポールとのFTAは間もなく発効、日本、インド、ベトナム、マレーシア、タイとFTAを交渉中である。一方、アジアではASEANをハブとしてFTAのネットワークが発達してきており、また、2015年末の交渉完了を目指して東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉が行われている。

こうしたなかにあって、アジアの参加者からは、「EUもアジアにおける経済統合に積極的に関与すべき。いまこそアジアとEUとの経済統合を推進すべき」といった指摘があり、欧州の参加者からも、「アジアと欧州の地域同士のFTAがないのが現状であり、共通のルールが必要」とのやりとりがあった。この関連で09年に中断されたEUとASEANとの地域同士のFTA交渉を来年のASEAN経済共同体の実現を機に再開すべきとの意見があり、2日目に登壇したベトナムのズン首相からも、ASEAN-EU FTAの実現を期待する旨発言があった。

フォーラムの2日目は、アジア欧州の首脳を招いて討議が行われ、アジアと欧州とのコネクティビティー強化の必要性が強調された。安倍晋三首相からは、日本経済の再生に最優先で取り組んでいくとの決意表明があり、「チャレンジ、オープン、イノベーション」の基本理念のもとで国内の構造改革を進め、競争力を高めると同時に、日EU EPAやTPP(環太平洋経済連携協定)などの経済連携によって広い経済圏に打って出るという内外一体の改革が、持続的成長を実現する唯一の道であるとのあいさつがあった。

【国際経済本部】

「2014年11月6日 No.3199」一覧はこちら