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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年11月20日 No.3201 感染症支援対策とアフリカ経済開発の現状聞く -サブサハラ地域委員会

経団連は5日、都内でサブサハラ地域委員会(野路國夫委員長、加瀬豊共同委員長)を開催し、提言「TICAD Vのフォローアップの加速を求める」を審議した。また、審議に先立ち、外務省の丸山則夫アフリカ部長からエボラ出血熱等の感染症対策支援、JETROアジア経済研究所の平野克己上席主任調査研究員からアフリカの経済開発の現状と課題について、それぞれ説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 日本政府のエボラ出血熱等の感染症対策支援の現状=丸山氏

日本政府は、これまで国際機関等への財政支援、医療従事者等の安全を守るための防護服、専門家の派遣、救急車や四輪駆動車等の提供を行ってきた。また、在留邦人に対しては適時適切な情報提供と緊急時対策の構築に取り組んでいる。

なお、アフリカとの人的・物的交流や経済活動を根拠のない情報で萎縮させる風評被害が拡大しないように取り組んでいる。経済界には、正しい情報に基づき冷静にアフリカビジネスに取り組んでほしい。

■ アフリカの経済開発の現状と課題=平野氏

サブサハラ経済の動向は資源価格に連動しており、この価格が低迷している今年から来年にかけて成長率が鈍化すると予想されている。対アフリカ直接投資の増加もあり、アフリカからの輸出は増えているものの、貿易収支はマイナスである。その背景として、農業の生産性が改善せず、物資や食糧を輸入に依存していることがある。

資源依存から脱却するためアフリカは、オランダやノルウェー等北欧の資源輸出国の経験に学ぶ必要がある。世界的にみれば農産物は欧米・オセアニアが輸出国、東アジアとアフリカが輸入国で、日本にとっても、アフリカの食糧輸入が拡大し続けることは食料安全保障上の問題となり得る。

アフリカへの支援は、「面」で支援するマルチの取り組みと、わが国の官民が連携して「点」を絞って支援するバイの取り組みに分けて考えるべきである。日本一国だけではアフリカ全体の貧困を解消することはできないので、アフリカ大陸でボーダーレスに活動している多国籍企業と適宜連携していくことも選択肢の一つである。

【国際協力本部】

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