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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年12月4日 No.3203 留学生数拡大のための課題と産業界への期待について聞く -立命館アジア太平洋大学の横山研治国際経営学部長から/教育問題委員会企画部会

経団連は11月4日、都内で教育問題委員会企画部会(三宅龍哉部会長)を開催した。当日は、立命館アジア太平洋大学(APU)国際経営学部長・大学院経営管理研究科長の横山研治氏から、留学生数拡大のための課題と産業界への期待について説明を聞くとともに懇談した。

■ APUにおける留学生受け入れのための環境

横山氏はまず、APUが2000年に開学し、現在は国内出身の学生3000人と海外出身の留学生2600人で構成されていること、留学生のほぼすべてが学位の取得を目指す正規留学であることなどを紹介した。また、開学当初からの方針として「国内出身と海外出身の学生比率を50対50、同様に教員の比率も50対50、50カ国以上から学生を集めるという“三つの50”があった」と説明。それを具体化するための戦略として、「非漢字圏を含め多様な国々から留学生を集めることが必要であり、そのために、多様な学事歴に対応できるよう入学・卒業時期を年2回設定すること、一つの科目を日本語・英語の両方で開講し、学生が語学力に合った講義を取れるようにすることなどが重要である。加えて、経団連会員企業を中心とした40億円の寄付金を原資に、留学生の出身国の経済発展の度合いに応じ、6段階で留学生の授業料を減免する制度を設けている」と説明した。

さらに日本への留学に対するニーズについても言及し、「留学生が日本で学びたい分野は、理工系であればエンジニアリング、サイエンス、テクノロジー、社会科学であればマネジメントなどであり、APUではマネジメントのコースを提供している。他方で、リベラル・アーツについては、依然として欧米の大学が高い競争力を持っているため、日本で学びたい留学生は少ない」と指摘した。

■ 今後の課題と産業界への期待

留学生数拡大のための今後の課題として、「先の授業料減免制度との関係で、多様な国から留学生を呼び込みキャンパスにおける国際的環境を充実させればさせるほど、財政負担が高くなるというジレンマがある。奨学金基金の創設により、財政の安定化を図りたい」と語り、経済界に対する期待として財政支援を示唆した。また「留学生にとっては、学部卒業後、日本の有名企業に総合職として就職できることがAPU留学の大きな魅力となっている」と指摘したうえで、「日本企業への就職率の高さを、APUのブランドとして活用していきたい」と強調した。

【社会広報本部】

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