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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年1月22日 No.3208 地球温暖化問題を技術で解決する~産業界の取り組み<3> -多様な製品・サービスを通じて、国内外での低炭素社会実現を推進する電機・電子業界

電機・電子業界は、電子部品・デバイスから重電・家電・エレクトロニクス製品の製造やITソリューションの提供など、多様な事業を展開しており、産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)に至るまで、あらゆる分野への製品・サービスの供給を通じて産業や暮らしを支えている。これらの幅広い事業活動を通じて、わが国の経済成長と豊かな暮らしの実現に寄与するとともに、火力発電の高効率化、再生可能エネルギー機器の普及拡大などによる発電部門での低炭素電力供給、省エネ製品開発による業務・家庭の電力消費削減など、エネルギー需給の両面で温暖化防止に大きく貢献している。

電機・電子業界は1997年に生産プロセス効率の改善目標を含む「自主行動計画」を策定し、以降のたゆみない省エネ努力により、計画の完遂を果たした。その後、温暖化対策のさらなる深化を図るため、経団連の低炭素社会実行計画に参画し、「グローバルな市場を踏まえた産業競争力の維持・向上を図ると同時に、エネルギー安定供給と低炭素社会の実現に資する『革新技術開発および環境配慮製品の創出』を推進し、わが国のみならずグローバル規模での温暖化防止に積極的に取り組む」を基本方針として掲げ、「ライフサイクル的視点によるCO2排出削減」「国際貢献の推進」「革新的技術の開発」を取り組みの柱として活動を推進している(図表1参照)。

図表1 電機・電子業界「低炭素社会実行計画」の取り組み

■ ライフサイクル的視点によるCO2排出削減

特に、ライフサイクル的視点によるCO2排出削減として、「生産プロセスのエネルギー効率改善・排出抑制、製品・サービスによる排出抑制貢献」を重点取り組みと位置づけている。このうち、生産プロセスに関する取り組みでは、エネルギー効率のよいモノづくりをさらに推進するとして、具体的には、実行計画フェーズⅠでは「2020年に向け、エネルギー原単位を年平均1%改善」を目標とし、その達成を目指している。また、実行計画フェーズⅡでも2030年に向けて、フェーズⅠと同様に、エネルギー原単位年平均1%改善を目指している。

より大きな効果を有する、供給する製品・サービスに関する取り組みにおいては、適切な方法論に基づきCO2排出抑制貢献量を算定・公表することを通じて、製品・サービスによる排出抑制貢献を示していく。

■ 国際貢献の推進と革新的技術の開発

グローバル規模での温暖化防止への貢献を果たしていくため、これまで同様、高効率機器普及促進政策導入への協力、省エネ性能の適切な評価・測定方法の提案と国際標準の開発などに取り組んでいく。

また近年、都市や地域のエネルギー・交通・医療・水環境などの社会インフラについて、効率的な最適制御を行うスマートグリッドやスマートシティーを実現するため、世界各地で実証計画・事業などのプロジェクトが推進されている。電機・電子業界が有する情報通信や発送電にかかわる技術は、拡大する都市の持続可能な成長を支え、中長期の温暖化防止に貢献するものと期待されており、関連プロジェクトへの参画などを通じ、革新的技術の開発に積極的に取り組んでいる(図表2参照)。

図表2 エネルギー需給両面での革新的技術開発

電機・電子業界は、今後もグローバル規模での「経済」と「環境」の両立に貢献できるよう、低炭素社会実行計画を着実に推進していく。

(電機・電子温暖化対策連絡会)
【環境本部】

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