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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年2月19日 No.3212 流通政策の動向を聞く -流通委員会

経団連は3日、東京・大手町の経団連会館で流通委員会(亀井淳委員長、石塚邦雄共同委員長)を開催した。経済産業省の寺澤達也商務流通保安審議官から「流通政策の動向」について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ 日本の流通業の現状と課題

流通業(卸・小売)は業種別GDPで製造業に次ぐとともに、雇用者数も全産業のなかで最大であるなど、わが国において重要な産業分野である。他方、少子化・高齢化や地域の疲弊といった環境変化への対応に加え、生産性向上など、多くの課題に直面している。

■ 今後の流通政策の視点

  1. (1)新たな需要の創出
    海外の活力を取り込むべく、インバウンド促進に向けてビザの発給要件緩和や免税品目数の拡大等を図った結果、2014年は訪日外国人が1341万人、旅行消費額も2兆305億円となり、共に過去最高を更新した。また、流通業の海外進出を後押しするため、東南アジアを中心に経済連携交渉や二国間対話を通じて外資規制の緩和・撤廃を要請し、ベトナム等で成果を挙げている。

    さらに、地域消費の喚起に向けては、中心市街地活性化法の改正、周辺地域を含めた経済波及効果の高い民間プロジェクトへの支援、緊急経済対策による地方公共団体の取り組みへの支援等を実施している。経済の好循環の実現のため、政府として、法人実効税率の引き下げを決定するとともに、所得拡大促進税制の拡充を行っており、各企業においても収益の従業員への還元をお願いしたい。

  2. (2)サプライチェーンの効率化による生産性向上
    2011年に設立された製・配・販連携協議会を通じて非効率な商習慣の見直しを図り、納品期限の見直しや賞味期限の年月表示化を実現、食品ロス・返品の大幅な削減に寄与した。また、流通業界と金融機関の情報接続の向上に向けた共同システム実験の実施、電子タグの利用によるコンテナの異業種混載やコンテナラウンドユース(往復利用)といった物流の効率化も支援している。

    加えて、訪日外国人のニーズが強いキャッシュレス決済に対応した安心・安全な環境の整備に取り組むべく、昨年末に「キャッシュレス化に向けた方策」を取りまとめた。

  3. (3)流通業を通じた社会的課題の解決
    買い物弱者対策として、(1)身近な場所に店をつくる(2)店まで連れてくる(3)商品を届ける――という三つの視点がある。これらの視点を踏まえ、持続可能な事業モデルの構築を支援していく。また、被災地産品の消費促進や、流通業を含めた異業種事業者の連携等による地域資源活用の取り組みを促す「ふるさと名物応援事業」の活用促進により、地域活性化を後押ししていく。

    加えて、小売業においても外国人技能実習制度を活用すべく、店舗運営管理が対象業種に追加となるよう業界と連携していくほか、エネルギー消費の約2割を占める業務部門(卸・小売、サービス業等)の省エネ対応を促すべく、14年度補正予算の空調機器や冷凍機器等も対象となる補助金の活用を促進するなど、多様な人材の活用や地球環境問題についても積極的に取り組んでいる。

【産業政策本部】

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