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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年7月23日 No.3233 第48回東北地方経済懇談会を開催 -豊かで活力ある日本へ/新しい東北を福島から創生する

懇談会後、共同声明を取りまとめ
(左から榊原経団連会長、高橋東経連会長)

経団連(榊原定征会長)と東北経済連合会(東経連、高橋宏明会長)は9日、福島県郡山市内で「第48回東北地方経済懇談会」を開催した。長年、仙台市内での開催が恒例であった懇談会を復興支援の一環として今回、福島県内で初めて開催。仙台以外での開催は29年ぶりとなる。

懇談会には、経団連から榊原会長はじめ審議員会議長、副会長らが、東経連から高橋会長はじめ会員約240名が参加。「豊かで活力ある日本へ~新しい東北を福島から創生する~」を基本テーマに意見交換を行った。懇談会後のパーティーには、内堀雅雄福島県知事、品川萬里郡山市長が出席し、参加者と懇談した。

懇談会に先立ち、JA郡山市の片平倉庫、南東北BNCT(ホウ素中性子補足療法)研究センターを訪問。福島県産米の全量全袋検査やBNCT治療装置等を視察した。視察後の昼食懇談会では、地元食材を中心とした昼食を取りながら、福島県内の商工会議所等、地元経済団体と懇談。風評被害対策の現状や課題について意見交換を行った。

開会あいさつで東経連の高橋会長は、「新しい東北づくり」を目指し、加速器関連プロジェクトや東北の観光振興に取り組む決意を表明した。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、「東北の復興なくして日本の再生はない」と強調したうえで、復興の加速化のみならず、創造と可能性の地である「新しい東北」の創生を目指し、東経連と連携しながら取り組みを進めていくとの意向を示した。

その後、2つのテーマを設定して行われた意見交換では、「復興の加速化と福島の再生」に関する東経連の問題提起に対し、経団連から(1)復興の加速化と風評被害の克服に向け、被災地産品の消費拡大への取り組みを引き続き支援(岩沙弘道審議員会議長)(2)地方における雇用創出には観光や農業等、地域の優位性を活かした中核的産業の育成が重要(石原邦夫副会長)(3)加速器や放射光等、地元の若者が夢を持てる技術を育むことが大事(中西宏明副会長)――との意見があった。

また、「地域の強みを活かした産業創造」に関する問題提起に対しては、(1)国際リニアコライダー誘致には膨大な費用がかかるため、慎重な議論を通じて国民の理解を得る必要がある(内山田竹志副会長)(2)東北ブランド構築に向け、国際会議やイベント等を通じて東北の魅力を国内外に発信する必要がある(友野宏副会長)(3)地域産品の輸出促進に向け、諸外国に輸入規制撤廃・緩和を働きかけることが重要(荻田伍副会長)(4)規制緩和や6次産業化等を通じ、高いポテンシャルを有する農業の競争力強化を図る必要がある(十倉雅和副会長)――などのコメントがあった。

意見交換の後、経団連と東経連は今回の懇談会の総括として「新しい東北の創生に向けた共同声明」を取りまとめ、発表した。

JA郡山市で全量全袋検査の模様を視察する一行

【総務本部】

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