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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年9月10日 No.3238 理工系を目指す女子中高生・保護者向けシンポジウム開催

シンポジウム登壇者と有村女性活躍担当相(左から5人目)、
伊藤女性の活躍推進委員長(同6人目)

経団連(榊原定征会長)は8月29日、東京・大手町の経団連会館で内閣府、日本経済新聞社、日経BP社との共催で、理工系を選択する女子中高生を増やすためのシンポジウム「理工系女子!ワクワク夏の文化祭2015を開催した。当日は、理工系の進路に興味を持つ女子中高生と保護者約250名が参加した。

開会あいさつで、女性の活躍推進委員会の伊藤一郎委員長は、人口減を見据え、またイノベーションの活性化のため、企業はダイバーシティ(人材の多様化)を推進しており、女性の採用を増やそうとしていると説明。しかし製造業や建設業関連など、とりわけ技術職の割合の大きい業種の企業が採用したい理工系女性人材はそもそも数が少なく、争奪戦が起きていると強調した。そのうえで今回のシンポジウムを通し、理工系を専攻したその先に、どのような仕事、キャリアが待っているのか、将来のイメージを描いてほしいと述べた。

■ 有村治子女性活躍担当相、内閣府特命担当(男女共同参画)あいさつ

続いてあいさつした有村治子大臣は、安倍内閣では、女性の活躍推進を最重要課題の1つに位置づけており、なかでも、「理工系女性人材の育成」は、社会の課題解決を主導する女性の層を厚くしていくといううえでも、また、世界最先端の科学技術立国を目指すうえでも、極めて重要との認識を示した。政府としても、理工系分野における女性の活躍をさらに加速するための施策に取り組むと述べた。また、理工系に進むためには保護者の後押しも必要であるとし、来場者にも理解を求めた。現在の女子中高生が、5年、10年、15年後に、理工系の分野で力を発揮していることに期待するとエールを送った。

■ 理工系女子学生のトークセッション

理工系大学・大学院に通う3名(東京大学大学院の小山英利香氏、東京電機大学の本田美咲氏、中央大学の山田真衣氏)をパネリストに、国際女性技術者・科学者ネットワーク日本名誉会長の都河明子氏の進行で、トークセッションが行われた。このなかで、都河氏は、具体的な理工系の学部を挙げて、そこからどのような職種の選択肢が広がっているのか説明した。

3名の学生は、理工系を選んだきっかけや実際の学生生活、研究内容などについて語った。小山氏は、「子供の頃から大好きなSF小説の世界を現実にしたいという思いで理工系を選び、苦手だった理数系の勉強に取り組み、二浪して希望の大学に入学できた」とのエピソードを語った。本田氏は、「大学に入学した際は、男性ばかりの環境に驚いたが、今では同じように発言できるようになった」と述べた。山田氏は、「進路を選ぶフローチャートでは文系の結果が出たが、父の影響もあり理系に進みたい気持ちが強く、理系の勉強に取り組んだ」と話した。3名とも、理工系に進むにあたり、保護者の理解や応援があったと語った。

■ 理工系社会人のリレートーク

シンポジウムの後半では、モデレーターに、早稲田大学助教・H2Lチーフリサーチャーの玉城絵美氏を招き、理工系社会人の3名(清水建設の小島梨恵子氏、日立製作所の古和美由紀氏、三菱重工業の藤原加那氏)のリレートークを実施した。

3名は、それぞれの仕事内容やそこに至るまでの経緯、学生時代に理工系に進んだきっかけ、就職活動についてスピーチ。「小学生のときに車で通ったアクアラインに感動したことを思い出し、建設業への入社を決めた」「女性が少ない職場ではあるが、ロールモデルとなる女性の先輩がいきいきと働いているので不安はない」「理工系の良いところは、論理的に結論を導けることであり、職場では男女の差を感じることはない」など、それぞれの体験を話した。また、3名の共通点として、学生時代に勉学だけでなく、部活動に積極的に取り組んでいたことを挙げ、「学生の皆さんには毎日を楽しみ、興味を持ったことや夢を追い続けてほしい」とのメッセージを送った。

参加者アンケートでは、「理工系の分野に興味が持てた」「理工系に進学したいと思った」などの前向きな意見が多数寄せられた。

【政治・社会本部】

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