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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年10月1日 No.3240 B20コンファレンスに参加 -奥顧問がインフラ市場への民間資金導入について発言

インフラ市場に関するセッションで
発言する奥顧問

9月3日から5日にかけて、トルコのアンカラでB20コンファレンス(G20サミットに対する経済界の提言を材料に企業・経済団体からの参加者が政府、国際機関等からの参加者も交えて議論する場。Bはビジネスの略)が開催され、68カ国から1400人以上が参集、経団連からは奥正之顧問が参加した。

B20議長を務めるトルコ商工会議所連合会のヒサルジュクルオール会長は開会あいさつで、貿易、インフラ・投資、金融、雇用、腐敗防止、中小企業・起業家精神の6つのタスクフォースにおける検討結果に基づき策定した「貿易円滑化協定の早期批准と実施」「国際投資に関する原則の確立」「雇用機会創出のための労働市場の包括的な改革」など19項目からなるB20の総括提言を紹介した( http://b20turkey.org/ 参照)。

開会セッションであいさつに立ったトルコのエルドアン大統領は、持続的成長に向けて脆弱性を払拭するためには構造改革が必要と訴えるとともに、各国に対しテロとの闘い、シリア難民に対する門戸開放を訴えた。2日目に基調講演を行ったダーヴトオール首相は、テロの温床となることを防ぐためにもいかなる人間、文明も孤立させることのない包摂的な成長が必要と強調した。また、ユルマズ副首相は、G20サミットのテーマは「3つのI」、すなわち包摂的な成長の実現(Inclusiveness)、これまでのサミットにおける合意事項の実行(Implementation)、成長のエンジンとしての投資(Investment)であると説明した。

世界経済に関するパネル討議に参加したラガルドIMF専務理事は、成長の質の問題として、効率の高いインフラ投資、金融部門の改革、生産物市場と労働市場の改革を通じた生産性の向上が必要と指摘した。これに関連して女性の労働市場への参加の重要性を指摘し、安倍政権の取り組みに言及した。

グローバル・ガバナンスの確立に向けてG20のあり方について民間人同士が議論したセッションでは、G20における合意事項の実行と説明責任の重要性が強調された。また、G20への信用を醸成すべく、新たな課題を追加していくべきとの発言があった一方、実行面を重視して、むしろ議題を絞り込むべきとの意見が出された。

インフラ市場に関するセッションに参加した奥顧問は、同市場への民間資金の導入について、昨今の国際金融規制強化の影響を受けた困難な環境下で、長期案件であるが故に官民が協働して実績を上げている日本の実例を紹介するとともに、民間ではコントロールが困難な有事の際のロールオーバー(支払延期)、リファイナンス(資金補充)に対して、公的機関がバックストップとして外貨調達支援を行うことの重要性を指摘した。

以上のほか、金融市場、貿易、投資、腐敗防止、中小企業等に関するセッションにおいて、上記タスクフォースでの検討結果を基に議論が行われた。

なお、11月15、16日にトルコのアンタルヤで行われるG20サミットに先立つ14、15日には同地でB20サミットが開催される予定である。

【国際経済本部】

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