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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年12月3日 No.3249 米国務省のトン首席副次官補と懇談 -アメリカ委員会企画部会

経団連のアメリカ委員会企画部会(守村卓部会長)は11月19日、東京・大手町の経団連会館で米国務省のカート・トン首席副次官補との懇談会を開催し、米議会におけるTPP(環太平洋パートナーシップ)承認の見通しや日本への期待等について説明を聞くとともに意見交換を行った。
トン首席副次官補の発言の概要は次のとおり。

■ オバマ政権はTPP法案成立を確信

TPPは米国政府が関与した過去20年の通商協定のなかで最も重要である。インターネット取引が普及し、モノと同様に知的財産やアイデアが売買される時代にあって、日米両国が引き続き経済成長を実現していくためには、従来型の通商ルールでは機能しない。日米が協力して21世紀にふさわしい新しい通商ルールをつくる必要があった。

TPPには、いまや世界人口のおよそ7割が暮らす中進国を先進国のルールに統合していくねらいがある。WTOドーハラウンドが停滞するなか、TPPはグローバルな貿易投資を真に開かれたものとするラストチャンスだった。

大筋合意を受けて、今後、交渉参加国はそれぞれ協定の批准に向けたプロセスを進めることになる。オバマ大統領は11月5日、TPPに署名する意思を正式に議会に通知したところだ。大統領は通知から90日を経た時点で協定に署名できるので、最短で来年2月初めには署名可能となる。現在、大統領がいつ議会にTPP法案を提出するのかという点に関心が集まっている。議会は法案受領後、上下両院で最長90日間かけて法案を審議することになる。よって来年の春ごろ、ワシントンは混沌とした状況になっているかもしれない。審議の過程ではさまざまな紆余曲折も予想されるが、最終的には十分な賛成票が集まりTPP法案が可決されることを確信している。

日本への期待として、第1にできる限り早期に日本の国会でTPPを承認してほしい。そうすることにより、世界第3位の経済大国が承認した協定であり日米関係にも非常に重要であるとして、米議会を説得することができる。第2に在米日系企業等を通じ、米国において日米経済関係のさらなる強化に向けたTPPのメリットをアピールしてほしい。特に日系企業が進出している州選出の議員は日系企業に深い尊敬の念を抱いており、真摯に耳を傾けるだろう。

■ 経団連ワシントン事務所の再開は極めて効果的なタイミング

11月4日に開催された経団連ワシントン事務所のオープニングセレモニーに国務省を代表して出席した。日米のビジネスリーダー、政府関係者、学識経験者等が多数集まり、非常に良いスタートを切られたと思う。米議会へのロビイング活動にとどまらず、グローバルな課題について討議を行うことができるような開かれた場所となることを期待している。さまざまなツールを活用して、日系企業の米国経済への貢献や日本の経済政策について積極的に発信してほしい。

【国際経済本部】

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