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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年12月10日 No.3250 TPP後の農業支援・競争力強化策を聞く -農業活性化委員会企画部会

政府は10月のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)大筋合意を受けて、11月25日に農業分野の支援・競争力強化策を含む「総合的なTPP関連政策大綱」を取りまとめた。そこで経団連は2日、東京・大手町の経団連会館で農業活性化委員会企画部会(川面克行部会長)を開催し、農林水産省幹部からTPP大筋合意ならびに上記大綱の概要と今後の取り組みについて聞いた。

冒頭、佐藤速水大臣官房総括審議官は、「農業改革は待ったなしの課題。これまでの施策に大綱を加えて、さらに活力ある強い農業をつくっていきたい。輸出を促進し、食品業界を中心にグローバルバリューチェーンを構築していく。この点で経済界との連携が重要だ」と述べた。

続いて、大澤誠大臣官房総括審議官(国際)が、TPP大筋合意の概要を説明。牛肉、日本酒、和食調味料等での相手国の関税撤廃に加えて、小売・流通での外資規制緩和、通関の円滑化等によって、総合的にわが国農林水産物・食品輸出を促進できると説明した。

具体策については、渡邊毅大臣官房政策課長が、「TPPの活用促進に向けて、農林水産物・食品輸出の戦略的推進を盛り込み、目標として『2020年の農林水産物・食品の輸出額1兆円目標の前倒し達成』を掲げている」としたうえで、具体的な施策として、(1)攻めの農林水産業への転換のための担い手の育成、農地の大区画化、産地イノベーション等の体質強化対策(2)重要5品目関連である経営安定・安定供給のための備え――を盛り込んだと説明。さらに、継続検討とされている項目については、来年秋をめどに政策の具体的内容を詰めると述べた。

また、当日は、「産地イノベーションの促進」に関する農地の大区画化について、奥原正明経営局長が農地中間管理機構の取り組みの現状を概説した。奥原局長は、初年度の業績に触れたうえで、今後、同機構を軌道に乗せるための方策として、同機構が地域農業のデベロッパーとなるような体制の整備、税制インセンティブの付与等に注力するとともに、機構を活用した企業の農業参入を促進するとした。

その後の懇談で、輸出拡大の課題を問われた佐藤総括審議官は、「動植物検疫や放射能関連規制などが課題として残っており、政府間協議で真剣に突破していく」と答えた。また、香港、シンガポールにおける新しい農薬規制が日本からの輸出の阻害要因となりかねないとの指摘に対し、「重要な問題であり、各省で連携してしっかり対応していきたい」と述べた。

【産業政策本部】

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