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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年1月7日 No.3253 グローバル人材の育成・マッチングに関する講演会開催 -雇用政策委員会国際労働部会

経団連の雇用政策委員会国際労働部会(得丸洋部会長)は12月10日、東京・大手町の経団連会館で、ジョン・ワイリー&サンズ社のジェフリー・シュガーマン副社長を招聘し、グローバル人材の育成・マッチングに関する講演会を開催し、経団連側から約70名が参加した。ジョン・ワイリー&サンズ社は学術図書と人材教育分野を手がける米国の主要企業であり、シュガーマン氏はグローバル人材育成プログラムの編成等を総括している。講演後には、複雑化する国際労働市場における高度人材の育成・定着を中心に意見交換を行った。シュガーマン氏の講演概要は次のとおり。

◇◇◇

高度人材に関して、ポストに欠員が生じた場合、後任者を探すのが難しいと感じている企業は36%に上り、日本の場合はさらにこの数値が高いともいわれている。他方、4年制大学卒業者の未就労、非正規雇用の割合は世界的にみて、過去最大規模となっている(米国の場合、4年制大卒者の12%が未就労、日本の場合、30%程度が非正規雇用との数値がある)。そこで、企業と就労希望者とのミスマッチの解消が急務である。

ミスマッチの原因として(1)高等教育のカリキュラムが就職後に必要なスキルに対応していない(2)職務が複合化し、求められる能力が多様化している(3)採用活動自体が非効率化している――といった点が挙げられる。

31カ国4000社を対象とした調査によると、有能な人材の38%は求人広告ではなく、仕事を通じた人脈が採用源であるとのことである。また、有能な人材のなかには、積極的に就職活動をしない者も少なくない。さらに、高度人材に関しては、仕事に必要なスキルの90%はトレーニングによって身につくものではない。

そこで企業と人材のマッチングのためには、労働市場に存在する人材に関する客観的なデータを集積し、そのアセスメントを行うことで、当該企業が求めているスキルが備わった適切な人材を発掘することが不可欠である。

【国際協力本部】

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