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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年2月11日 No.3257 ベンチャー企業における若手の活躍推進事例聞く -起業・中堅企業活性化委員会人材活躍推進部会

経団連は1月22日、東京・大手町の経団連会館で起業・中堅企業活性化委員会人材活躍推進部会(立石文雄部会長)を開催した。

今回の会合では、ベンチャー企業における若者の活躍推進をテーマに、ユーグレナの出雲充社長から同社の取り組みを聞いた。講演の概要は次のとおり。

■ 2本の柱による取り組み

当社では、「メディアを通じた発信」と「ポスドクの積極採用」の2本の柱によって若手の活躍推進を図っている。

第1の柱である「メディアを通じた発信」では、当社で活躍している若手メンバーを新聞や雑誌で取り上げてもらえるよう、積極的に売り込んでいる。メディアからの紹介を通じて、若手が頑張る会社、活躍できる職場であることを対外的に発信するとともに、社内に対しては、会社の一員としての責任感の醸成を図っていくことを考えている。

メディアに売り込む際には、創業10年来の取り組みを通じた経験則や社会からの関心に基づいて、6つのキーワード(健康食品、美容、時価総額、環境問題、リケジョ、最先端研究)を設定し、それぞれに合致する人材を選んでいる。

第2の柱である「ポスドクの積極採用」では、研究開発はもとより、経営戦略や知財管理などの分野でも、博士号を持った人材を抜擢している。わが国は、労働力人口が減少する一方で、高度な技術や知識を有し「日本の宝」として活躍すべき有能な人材が活躍できていない現状があるので、大変もったいない。ポスドク人材の多くは、不安定な働き方を経験してきたなかで、応用力を身につけており、仕事をやり遂げる能力も高い。これからも積極的に採用し、さまざまな領域で責任ある仕事を任せていきたい。

■ 活躍推進に向けた課題

優秀な人材の確保は大きな課題である。大手企業からベンチャー企業への人材流入は政府なども促進を図っているものの、まだあまり進んでいない。現状では、人材の受け入れ形式は期限付きの出向に偏っている。また、転職をめぐっては「オヤブロック」と「ヨメブロック」がある。本人の意志とは別に「研究者として期待したのになぜ民間のベンチャーに就職するのか」など、家族からの反対も少なくない。わが国にはベンチャー企業に飛び込みにくい文化が厳然とある。

このような状況を変えていくために、政府などによる大学発ベンチャーの功績への顕彰機会が増えることを期待している。例えば、オープンイノベーションによって大手企業と連携し、成功した際には褒めたたえることで、大学発ベンチャーの取り組みを評価する雰囲気を社会的に醸成してほしいと思っている。

【労働政策本部】

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