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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年2月18日 No.3258 企業とNPO/NGOとの連携深化に向けた提案聞く -社会貢献担当者懇談会

説明する長川氏

経団連は1月28日、東京・大手町の経団連会館で社会貢献担当者懇談会(金田晃一座長、山ノ川実夏座長)を開催した。
デロイトトーマツコンサルティング・CSR推進室長の長川知太郎氏から、同社のプロボノ(NPO/NGOに対する無償コンサルティングサービス提供)の取り組みと、企業とNPO/NGOとの連携深化に向けた提案について説明を受けた。
説明の概要は次のとおり。

企業は社会から経営資源を預かって製品やサービスを提供し、より豊かな社会を実現する役割を担っている。また、利潤や経験、人材を社会発展に結びつける役割も担っている。企業は利潤を上げるだけでは自身の持続性が保たれないため、CSV(Creating Shared Value、共通価値の創造)の概念にあるとおり、経済便益と社会便益との共存を目指す。その際、他組織の力を借りて社会的な影響を強めようとする。

企業はNPO/NGO等との協働を増やしている。一方でNPO/NGOは組織基盤の弱さに課題を抱えている。特に、財務と人材育成が深刻な課題だ。

そのようななか、われわれはコンサルティング業の知見を活かし、プロボノとして、いくつかのNGOに対し中期計画策定支援等を行った。ビジネスで用いられる手法はNGOでも活かせたが、分析に必要なデータが整っていなかった点や、仕事の進め方が企業と異なっていた点には、今後の改善の余地を感じた。

われわれは政府・企業・NPOが連携するモデルを「トリニティモデル」と呼び、理想の協働のあり方と考えている。よりよい協働の際に重要なことは3つある。第1は相互理解だ。例えば協働先NPOが提出する報告が不十分であっても、彼らの組織基盤の実態を理解し、むしろ企業側からの支援も考えるべきだ。第2は共通の目標設定だ。特に社内では社会貢献部門だけではなく事業部門とも目標を共有してもらいたい。第3は思索だ。将来の社会がどうなっているか、自社の社会的インパクトは何かを常に考えてほしい。

<質疑応答>

― トリニティモデルを支援する仕組みとは。
NPO/NGOや企業の情報が集まる中間支援団体も連携のカギになる。中間支援団体も漫然と情報を集めるのではなく、自身で将来の理想像を描き、それに沿った団体の情報を集めてほしい。
― デロイトトーマツコンサルティングにおけるプロボノの輪を広げるための活動の特徴とは。
活動の認知・理解のために全社会議やニュースレターでプロボノを紹介する機会をもらっている。また、プロボノがもたらした社会的影響を数値化するとともに、プロボノ参加経験を人事評価に反映している。

【政治・社会本部】

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