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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年2月25日 No.3259 2016消費者志向経営トップセミナー開催 -消費者の信頼や期待に応えるための取り組みとは

経団連は10日、東京・大手町の経団連会館で消費者関連専門家会議(ACAP)との共催、消費者庁、経済産業省の後援のもと「2016消費者志向経営トップセミナー」を開催した。会合の概要は次のとおり。

■ 開会あいさつ=渡邉光一郎経団連消費者政策委員長

渡邉経団連消費者政策委員長

経団連では、企業行動が社会や環境に与える影響が大きいことを踏まえ、企業の社会的責任を果たす、すなわちCSR経営に取り組む必要性を訴えてきた。その指針となるものとして経団連が定めた「企業行動憲章」では、第1番目の項目として「社会的に有用で安全な商品・サービスを開発、提供し、消費者・顧客の満足と信頼を獲得する」ことを掲げている。

商品・サービスの品質、安全性を確保するとともに、消費者、顧客のニーズを把握し、その満足と信頼を獲得することは経営の根幹そのものである。同時に、そのような環境を整えることは、GDPの約6割を占める個人消費への好影響をもたらし、経済の持続的な成長に寄与するものである。

経団連としても、引き続き消費者政策の充実に取り組んでいきたい。

■ 来賓あいさつ=松本文明内閣府副大臣

松本内閣府副大臣

安倍内閣が掲げる経済の再生を実現するためには、消費と投資の拡大が必要である。そのためにも、安心・安全に消費できる環境の整備が重要である。しかし、最近、消費者の安全・安心を揺るがす問題が発生しており、企業と消費者の間の信頼関係の構築は待ったなしの課題である。

経営戦略の一環として、消費者の視点を重視し、お客さまを第一に考える「消費者志向経営」を推進することが重要である。企業には、安心・安全な市場の担い手として、経営者の強いリーダーシップのもと、消費者志向経営の実現に向けた社内体制の充実やお客さまとのコミュニケーションの強化等に積極的に取り組んでほしい。

消費者庁としても、事業者、消費者・消費者団体とさらに連携を深めながら、消費者志向経営の一層の進展を図っていきたい。

■ 基調講演=大社啓二日本ハム取締役専務執行役員

大社氏

日本ハムでは不祥事の発生を契機に、お客さまからの信頼を回復するための「お客さま視点の組織」への変革を行った。具体的には、事業部を横断する社長直轄の組織として「品質保証部お客様サービス室」を設け、お客さまからの指摘に迅速に対応できる体制を整えた。

お客さま満足の向上に向けて、「聴く」「知る」「活かす」の3つのコミュニケーションサイクルを回すことを軸に、さまざまな取り組みを進めている。

お客さまの声を「聴く」ために、応対の品質を高めるとともに、社長をはじめとする役員自らがお客さまの声を直接聴く活動に取り組んでいる。

また、お客さまの声をより深く「知る」ために、お客さまサービス室メンバーがお客さまの声からの「気づき」を抽出し、関係部署に改善提案を行う。そして、毎週定例で、事業部と膝を交えてお客さまの声を伝え、検討する場を設けている。

そして、お客さまの声を聴いて知ったことをスキルとして「活かす」とともに、商品の改善などの成果物につなげている。

今後も、「聴く」「知る」「活かす」のコミュニケーションサイクルを回すことにより、品質ナンバーワン経営を実現していきたい。

◇◇◇

その後行われたパネルディスカッションでは、コーディネーターの松本恒雄氏(国民生活センター理事長)、パネリストの板東久美子氏(消費者庁長官)、河野康子氏(全国消費者団体連絡会事務局長)、鈴木一末氏(全日本トラック協会引越部会部会長)、坂倉忠夫氏(消費者関連専門家会議理事長)が、「消費者志向経営とは何をすることか、その促進に向け企業はどのような取り組みを行うべきか」といった点について意見交換を行った。

最後に永嶋悦子氏(オリエンタルランド執行役員)が閉会あいさつを行った。

【政治・社会本部】

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