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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年3月10日 No.3261 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は7日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

榊原会長は冒頭、同日の会長・副会長会議で、6月2日に新たに就任する審議員会副議長候補者6名が内定したことを報告。このうち箔一の浅野邦子会長について、バイタリティーあふれる女性の創業経営者として、また地域産業活性化や中小企業振興の担い手として、経団連に新風を吹き込むことに期待を表明した。

東日本大震災からの復興については、発災から5年を迎え、被災地域の生活拠点の再生、公共インフラの復旧・復興は一定の目途がついてきているが、その一方で、いまだに17万人を超える方々が不自由な避難所生活を送られていることに加えて、根強い風評被害が農林水産業や観光業の復興の足かせになっていると指摘。経団連は被災地産品の消費拡大のため、マルシェの開催、会員企業の社員食堂での被災地食材活用の呼びかけなどを続けているものの、解決しなければならない課題は多く、地域経済の復興はいまだ途半ばとの認識を示した。

また、同日午前に復興庁、JAグループと協力し開催した復興応援イベント「東北に新たな商流を!成長への挑戦」について、東北に新たな商流を興し、芽吹いたビジネスを成長ステージに押し上げて、会員企業が被災地企業と課題解決を探る大変意義深いイベントであったと総括。会員企業からの被災自治体や復興庁への人材派遣などに加え、産業復興、風評被害対策、記憶の風化防止に継続して取り組んでいくとの考えを示した。

春季労使交渉については、「経労委報告2016」にあるように、収益を拡大した企業には年収ベースで昨年を上回る賃金引き上げに前向きに取り組むよう呼びかけており、各社の状況にあわせて、ベア、定昇、手当、ボーナスなどを通じた対応を期待したいと述べた。

消費税については、社会保障の充実と財政健全化の観点から、来年4月の税率の再引き上げは計画どおり実施すべきとの考えを示した。そのうえで、8%に引き上げた際の駆け込み需要に伴う反動減により、消費が足踏みしていることに言及。来年4月の10%への引き上げに向けた環境整備として、経済がこれを受容できるだけの底力・地力をつけなければならないとした。

榊原会長は、5日に開幕した中国の全人代で議論されている、第13次5カ年計画について触れた。小康社会の実現に向けて年平均6.5%以上の経済成長を目指しており、これは、かつての7%成長より低いが、国全体のGDPが拡大していくなかでの大きな目標であるとしたうえで、確実に達成することが中国経済、ひいては世界経済にとって重要であり、改革開放の深化を計画どおり進めてほしいと述べた。

同5カ年計画では、GDPにおける研究開発費の比率を2.1%から2.5%に引き上げる目標が示されるなど、イノベーションを重視した政策を打ち出していると指摘。実現した場合、中国がイノベーションにおいて主導的な地位を獲得する可能性があり、国家規模のプロジェクトや世界トップの大学づくりなどにも注目しているとした。

【広報本部】

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