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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2016年11月17日 No.3293 ナザルバエフ・カザフスタン大統領との懇談会を開催

ナザルバエフ大統領(左)と朝田日本NIS経済委員長

経団連の日本NIS経済委員会(朝田照男委員長)は8日、日本政府の招待により来日したヌルスルタン・ナザルバエフ・カザフスタン大統領との懇談会を開催し、同国の経済政策や今後の発展の展望、日本企業への期待等について説明を聞いた。ナザルバエフ大統領の説明の概要は次のとおり。

■ カザフスタンの国家発展ビジョン

世界銀行が毎年実施しているビジネス環境ランキングにおいて、カザフスタンは35位にあるが(注) 、現状に満足することなく、30位以内にランクインすることを目標に、国家発展ビジョンのもとさまざまな取り組みを進めている。

  1. (1)資源依存経済からの脱却
    カザフスタンは石油やガス、ウランはもとより、クロム、鉛、亜鉛ほか豊富な天然資源を有している。しかし、資源に依存する経済から脱却するため、製鉄、非鉄冶金、食品加工、自動車製造、電気設備製造にも注力していく。こうした優先分野に投資する企業には、法人利益税および土地税が10年間免除、資産税は8年間免除される。
    約800の国営企業が民営化プロセスにあり、総額は100億ドルに上る。発電分野や製鉄分野でも大型の民営化を予定しており、日本企業にもぜひ、民営化プロセスに参画してほしい。

  2. (2)特区等を活用した投資誘致
    カザフスタンには経済特区が10カ所以上、工業地帯が20カ所以上設置されている。これら経済特区・工業地帯では、税制優遇策が付与される。また、必要なインフラは政府の資金で整備される。日本企業には、こうした特区の管理も含め、進出を検討してほしい。

  3. (3)国際金融センターの創設
    2017年に首都アスタナで開催される万国博覧会の跡地を利用し、「国際金融センター・アスタナ」の創設を予定している。同センターでは特別法のもと、50年間、法人税、個人所得税、土地税、資産税等が免除され、査証や滞在許可証等の手続きも簡素化される。

  4. (4)都市・物流インフラ等の整備推進
    アスタナ万博には、110以上の国、17以上の国際機関が参加する。日本企業には、再生可能エネルギーに焦点を当てたこのイニシアティブに参画することを期待している。
    カザフスタンは大シルクロード構想「一帯一路」にも参画していく。これにより、カザフを経由した3000kmの自動車道路や鉄道網が整備される。また、海上コンテナ輸送では、現状欧州まで30~40日を要するが、太平洋に面した中国の連雲港を活用することで、2週間で輸送可能となる。日本企業にも、こうしたインフラ整備プロジェクトへ参加することを望む。

(注)旧ソ連諸国ではジョージア(16位)に次ぐ。日本は34位、ロシアは40位。

【国際経済本部】

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