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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年4月13日 No.3312 オレシュキン・ロシア経済発展相との懇談会を開催 -ロシア経済の現状や今後の日露経済協力の展望等/日本ロシア経済委員会

オレシュキン経済発展相(右)と朝田委員長

経団連の日本ロシア経済委員会(朝田照男委員長)は3月24日、都内で、来日中のマクシム・オレシュキン・ロシア経済発展大臣との懇談会を開催し、ロシア経済の現状や今後の日露経済協力の展望等について説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ 露日経済関係の概観

2016年の露日経済関係を振り返ると、二国間貿易高は前年比で約4分の1落ち込み、160億ドルの水準にとどまった。また、昨年の第1~第3四半期における日本の対露投資額は6300万ドルで、日本は対露投資家として世界第28位にすぎない。中国の対露投資額が毎年約20%の伸びを示し、昨年約660億ドルを記録したようなダイナミックな動きとは対照的といわざるを得ない。

昨年12月の露日首脳会談の際には、双方の働きかけによって官民合計で80もの協力案件が調印に至ったが、主に覚書にとどまっているため、実際のプロジェクトとして具体化していくことが今後の課題である。

■ ロシア経済の現状と見通し

ロシア経済に目を転じると、石油価格の下落をはじめさまざまな外的要因によって、ここ数年間困難な状況に直面してきた。こうしたなか、ロシア政府は外的要因の緩和・除去ならびに構造改革の推進等の対策を講じてきた。マクロ経済面においても、安定的で予見可能性の高い政策を推進している。例えばGDPの落ち込みは2015年、16年の合計でマイナス3%であったのに対し、昨年はマイナス0.2%にとどまったことを考えれば、外的要因に適応していく政策が奏功しているといえる。

インフレについても、プラス17%まで増嵩した数年前のショックから回復し、現在はプラス4.3%に落ち着いており、15年に設定した「2017年のインフレ率プラス4%」という目標を前倒しで達成したことになる。

17年のロシア経済はプラス2%成長を達成する見込みである。加えて、長期的な展望を持って外為市場を安定的に運営することは、外国投資家が投資する際の予見可能性という観点から極めて重要である。今回私が訪日した主な目的は、日本企業の皆さんにロシアへの投資がいかに重要で、いかに自信を持って投資してもらえるかを伝えることである。世界銀行によるビジネス環境ランキングにおいても、17年のロシアの格付けは40位に改善しており、今後とも上昇していくと考えている。

■ 今後の露日経済関係をめぐる展望

日本とロシアは、人口動態等の面で類似の経済構造を有している。両国が力をあわせて共通の課題に取り組むために中核をなすのが、第4次産業革命等に代表される新たな技術である。これまでロシアは産業革命の波に乗り遅れてきたが、次の波には遅滞なく乗り、露日経済関係を新たな次元に引き上げるべく、最大限尽力していきたい。

【国際経済本部】

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