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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年7月6日 No.3322 第106回ILO総会に代表団を派遣

ILO(国際労働機関)の第106回総会が6月5日から16日にかけてスイス・ジュネーブのILO本部・国連欧州本部で開催された。日本からは、橋本岳厚生労働副大臣、逢見直人連合事務局長、得丸洋経団連雇用政策委員会国際労働部会長がそれぞれ政労使の代表として参加した。

■ 代表演説

代表演説では、日本の政労使がそれぞれの立場から「働き方改革」に言及し、時間外労働時間の上限規制ならびに同一労働同一賃金に向けた法改正に政労使が合意した点を説明。13日の得丸部会長の演説の概要は次のとおり。

代表演説を行う得丸部会長

日本の競争力強化に必要なトップレベルの人材を確保するうえでは、女性の活躍促進が不可欠。経団連では、昨年10月に、女性活躍に取り組む企業の好事例集を取りまとめるなどの取り組みを行っている。

日本の政労使は、柔軟な働き方を促進し、同時に生産性向上に貢献するため、時間外労働時間の上限規制を導入することに合意した。経団連は、トップの強いリーダーシップのもと、過度な長時間労働をなくすよう呼びかけている。

同一労働同一賃金に関して、法律改正に政労使で合意した。企業には、正規労働者と非正規労働者との間に不合理な待遇差がないかどうか、自主的に点検し、かかる不合理な待遇差に対処すべく努力することが期待される。

■ 総会議題(1)「移民労働」

2014年の事務局長報告において提唱された「公正な移民」(Fair Migration Agenda)のフォローアップの一環として同議題が取りあげられ、以下の成果文書を取りまとめた。

  • すべての国家は、国内法に基づいて移民労働に関する政策を策定する主権を有する
  • 移民労働は、適切な在留管理のもとで推進されれば、労働需給ギャップの解消、技術移転、イノベーションの推進等、受け入れ国・送り出し国双方にとってメリットとなる
  • FTA/EPA等の二国間協定に基づく移民労働の受け入れが、労働市場のニーズに適った秩序ある受け入れに貢献する
  • ILOは、移民労働に対する国際的労働基準の適用や教育訓練等にかかる役割を担う

成果文書の取りまとめにあたり、労働力不足が想定される分野での移民労働の活用や、イノベーションに資する高度人材の交流等、日本の経済界の立場を反映させるかたちとなったことを評価している。

■ 総会議題(2)「労働における基本的原則と権利」

2008年に採択された「公正なグローバル化のための社会正義に関するILO宣言」に基づき、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を実現するための方策に焦点を当て、以下の成果文書を取りまとめた。

  • 投資とイノベーションが生産性向上と雇用創出の源泉であることに留意し、企業活動が持続可能な環境を整備する
  • 政労使による対話を推進することがディーセント・ワークを実現するうえで不可欠である

成果文書の取りまとめにあたり、日本ですでに進んでいる働き方改革などの政労使による取り組みがディーセント・ワークの実現に必要であることが盛り込まれた点を評価している。

◇◇◇

経団連では、政労使連携のもと、引き続きILO関連の活動を推進していく。

【労働法制本部】

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