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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年7月13日 No.3323 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は7月10日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

はじめに榊原会長は、九州北部豪雨の犠牲者に哀悼の意を表した。現在、被災地では、昼夜を問わず懸命の救命・復旧活動が続けられていることに触れ、一刻も早い復旧と経済活動の回復を心より願っていると述べた。経団連は1%クラブを通じ、会員企業・団体に対し、義援金・支援金等の寄付を呼びかけたとして、引き続き、関係組織と連携し、必要な対応を行うとの考えを示した。

2019年10月の消費税率10%への引き上げについては、これは政権公約かつ国際社会との約束であり、3度目の延期という選択肢はないとした。経済界としては、是が非でも計画どおり引き上げるべきとの主張であり、また、財政制度等審議会の会長の立場からも、国の財政規律の確保、とりわけ2020年度のPB黒字化に向けて、引き上げは絶対に必要との考えを示した。また、国民の反対を懸念した消費増税の先延ばしもあってはならないと述べた。これに関しては、国民に超高齢社会における社会保障維持のための消費増税の必要性を丁寧に説明すれば、納得を得られ、国民の支持にもつながるとした。

教育問題については、大学進学希望者全員を対象とする無償化は大学の質の低下につながりかねないとの考えを示した。それよりも、大学に行きたくても行けない人への給付型奨学金や所得連動型返還奨学金を用意すべきだと述べた。また、財源に限りがあるなか、むしろ、子ども・子育て支援に重点的に取り組むべきであり、国全体で支える観点から、税財源で対応すべきだとした。

G20の成果については、先のG7サミットに続き今回のG20でも、首脳宣言に保護主義と闘う旨が明記されたことを評価した。具体的には、特に「すべての不公正な貿易慣行を含む保護主義と引き続き闘う」という文言が盛り込まれ、G7での自由貿易推進の基調が維持されたことを挙げた。

また、G20に際しての首脳外交に言及。安倍首相と文在寅大統領間の日韓首脳会談について、未来志向の日韓関係の構築に向けて、シャトル外交の再開合意などの成果もあり、極めて意義深い会談であったと述べた。

日中首脳会談も和やかな雰囲気のなか行われ、両国関係は改善の方向にあるとの認識を示した。これに関連し、自身も出席した5月の習近平国家主席、6月の汪洋副総理との会談においても、両国関係の確実な改善を実感したと述べた。一帯一路構想について、今回の日中首脳会談で安倍首相が協力を表明したことについては、同構想が地域と世界の平和と繁栄に貢献していくこと、また、保護主義やナショナリズムの台頭が懸念されるなか、貿易投資の自由化・円滑化、インフラの連結性向上につながることへの期待感の表れであると受け止めていると述べた。日本企業としても、インフラの連結性向上に対する関心が高く経団連が一昨年から開催している日中企業家及び元政府高官対話(日中CEO等サミット)でも、両国企業による協力の可能性が議論されていることを紹介した。ただ、同構想には不明点が多いことも確かであり、さまざまな機会をとらえ具体的内容の把握に努める必要があるとした。

【広報本部】

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