Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年10月5日 No.3333  ILOと日本の多国籍企業との関わり等について聞く

経団連は9月21日、東京・大手町の経団連会館で雇用政策委員会国際労働部会(得丸洋部会長)を開催した。ILO(国際労働機関)本部のギータ・ローランス多国籍企業局長から、CSRの世界潮流、ILO多国籍企業宣言の改定、2020東京オリンピック・パラリンピックに対するILOの協力について、説明を聞いた。説明の概要は次のとおり。

■ CSRの世界潮流

グローバルに活動を行う企業にとって、今や自社の事業活動だけでなく、他の取引企業とのビジネス関係についても責任を問われる時代となっている。そのため、事業活動において人権侵害がないかを判断するツールとして、デューディリジェンス(戦略策定、リスク管理、監査・報告体制の整備)が注目されている。フランスでは企業による人権侵害を予防、緩和するためのデューディリジェンス法が施行され、オランダでも、児童労働を禁止するためのデューディリジェンスの立法化作業が行われるなど、各国で取り組みが進められている。

さらに、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に対して、企業や民間が貢献を果たすためのプラットフォームづくりが行われるとともに、日本を含む18カ国において、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」のもとでの国別の行動計画が策定あるいは検討されている。

■ ILO多国籍企業宣言

今年3月に、ILOの「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(多国籍企業宣言)」の改定が行われた。同宣言は、多国籍企業の社会経済開発とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の取り組みを進めるという積極的な役割を促すとともに、企業活動によるマイナスの影響の緩和と解決を図ることで、持続可能な開発と包摂的な成長の実現を目指すものである。

同宣言では、(1)一般原則 (2)雇用 (3)訓練 (4)労働条件・生活条件 (5)労使関係――について、多国籍企業、現地企業、進出先を含む政府の取り組むべき原則を示している。

■ 2020東京オリンピック・パラリンピックに対するILOの協力

ILOは、オリンピック・パラリンピック史上初めて、東京2020組織委員会とパートナーシップを交わした。これは、オリンピック・パラリンピックに関わるすべてのステークホルダーに持続可能性につながる行動を、さらに、企業に対しては、CSRを通じたディーセント・ワークの実現を求めている。

具体的には、ILO多国籍企業宣言を踏まえ、労働者の安全・健全な作業環境の確保、国際基準や各国法制に基づく労働条件の設定などが求められる。

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会合では、ローランス局長の説明に続き、日本人材マネジメント協会の谷川和生会長から、「グローバル化を進める人事施策について」をテーマに説明があった。

【労働法制本部】