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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年11月23日 No.3340 ワシントン・リポート<19> -日系アメリカ人のリーダーシップと影響力

ワシントンDCに日米関係をつかさどる組織はあまたあるが、米日カウンシル(U.S.-JAPAN COUNCIL)は異彩を放っている。11月13、14の両日、ワシントンのホテルのグランド・ボールルームに総勢700名以上を集め、同カウンシルの年次総会が開催された。

同カウンシルは、アイリーン・ヒラノ・イノウエ会長をはじめとする日系アメリカ人のリーダーシップのもと、2008年に日米企業の協賛を得て設立され、本部をワシントンDCに置いている。東日本大震災後の復興支援から生まれた「TOMODACHIイニシアチブ」の活動を推進するため、12年には東京で米日カウンシル・ジャパンが設立され、翌13年には公益財団法人に認定されている。

今回の年次総会には、ウィルバー・ロス商務長官、イレーン・チャオ運輸長官、吉野正芳復興大臣、森信親金融庁長官、冨山和彦経営共創基盤CEOはじめ、そうそうたるメンバーが出席し、経団連からも吉田晴乃審議員会副議長(BTジャパン社長)が参加した。

1日半にわたる年次総会では、グランド・ボールルームにおける本会議および本会議昼食会に加え、初日午前に5分科会、午後に7分科会が同時並行で開催された。午前の分科会の1つ「日米の時事問題に関する政策専門家のフォーラム」では、マイケル・グリーンCSIS(戦略国際問題研究所)上級副所長兼ジャパン・チェアー、ミレヤ・ソリース・ブルッキングス研究所フィリップ・ナイト講座シニアフェロー(日本研究)らが、日米間の政治経済問題やトランプ大統領によるアジア歴訪の評価などを話し合った。

本会議昼食会のパネル・ディスカッション「ワシントンと東京を越えた地域関係」には、吉田副議長が、佐々江賢一郎駐米大使、トム・シーファー元駐日大使とともに参加し、草の根活動の重要性を強調するとともに、経団連ミッションがワシントンDCに加えて各州を訪問し、各地の経済、特に雇用や輸出などへの貢献を説明していると紹介した。また、女性の活躍によるビジネスチャンスは豊富で、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて日米協力プロジェクトを検討したいと述べた。

吉田副議長は午後の分科会「役員会における女性のリーダーシップと成功」にも6名の女性パネリストの1人として参加し、他人と競うよりも自らの責務を自問自答し、その実現を楽しむことが成功のカギとコメントした。

パネル・ディスカッション「日系アメリカ人リーダーの活躍」では、日系アメリカ人女性として初めて4年制大学の学長になったジュディ・サカキ・ソノマ州立大学学長、ハワイを拠点に活躍する日本生まれのアメリカ人シェフ、ロイ・ヤマグチ氏、オンラインでファッションを提供するスタートアップ企業MMラフルアーのサラ・ラフルアーCEO、CBS記者として世界中で取材するアダム・ヤマグチ氏が、躍進の象徴として紹介され、これまでの道のりや日米連携での役割などについて語った。

ダニエル・イノウエ元上院議員、ノーマン・ミネタ元商務長官・元運輸長官をはじめ日系アメリカ人は、米国の政治経済に大きなプレゼンスを示しており、その精神は米日カウンシルにも引き継がれている。

次回の年次総会は2018年11月7日から9日の日程で、東京での開催が予定されている。

(米国事務所長 山越厚志)

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