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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年1月1日 No.3344 「統計改革の全体像」について聞く -経済財政委員会統計部会

経団連は11月30日、都内で経済財政委員会統計部会(野呂順一部会長)を開催し、関係府省から統計改革の全体像等について説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 統計改革の全体像

「GDP統計は経済実態を正確に反映しきれていない」等の指摘から、2017年2月、統計改革推進会議(議長=菅義偉官房長官)は初会合を開き、5月に最終取りまとめを公表した。

最終取りまとめは、(1)EBPM(証拠に基づく政策立案(注1))推進体制の構築(2)GDP統計を軸にした経済統計改善(3)ユーザーの視点に立った統計システムの再構築と利活用促進(4)報告者負担の軽減と統計業務・体制の見直し、基盤強化等――を4本柱とし、現在、各般の改革の実行段階にある。

具体的な取り組みとしては、産業連関表を経由せずに基礎統計から「SUT(供給・使用表(注2))」と呼ばれる表を直接推計する体系への移行に取り組む。また、ビッグデータ等の利活用に向けた産官学連携や、大企業等に対し専任の担当者(プロファイラー)を配置し報告負担軽減を支援する「プロファイリング」活動、ニーズが低下した調査や他情報で代替可能な調査の廃止等、業務見直しを行う「統計棚卸し」等に取り組む。

■ 経済産業省の取り組み

経済産業省は、商業・サービス関連3調査の「経済構造実態調査」(仮称)への統合等に総務省と共同で取り組む。また、第4次産業革命時代の公的統計を目指し、SNSのビッグデータと人工知能を用いた2カ月先の鉱工業指数予測の検証や、商業動態統計調査における家電量販店POSデータでの代替可能性の検証等を行っている。事業者のビジネスチャンス拡大にもつながる民間委託の推進等も行っている。さらに、企業統計室と経団連との連携により実施されたアンケート調査の結果に基づき、海外事業活動基本調査等について、記入が困難な調査項目の見直しや作業負担の軽減に取り組む。

■ 内閣府経済社会総合研究所の取り組み

内閣府経済社会総合研究所は、17年5月に、四半期別GDP速報における需要側統計と供給側統計の最適な統合比率の推計などの今後6年程度の取り組みを整理した「GDP統計改善工程表」を策定した。また、GDP統計の改善に関する研究を開始している。

◇◇◇

経団連は、引き続き改革を支援し、報告者の負担抑制や利用者の利便性向上の観点から、統計部会を中心に一連の統計改革に関与していく。

(注1)EBPM=Evidence Based Policy Making

(注2)SUT=Supply and Use Table

【経済政策本部】

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