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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年1月11日 No.3345 第6回審議員会を開催 -安倍首相があいさつ

あいさつする安倍首相

経団連は12月26日、東京・大手町の経団連会館で第6回審議員会を開催した。来賓として安倍晋三総理大臣、麻生太郎副総理・財務大臣、世耕弘成経済産業大臣、加藤勝信厚生労働大臣が出席するとともに、黒田東彦日本銀行総裁が講演した。

あいさつした安倍首相は、「第2次安倍内閣が発足して本日でちょうど5年。経済最優先で取り組んできた結果、業況判断はリーマンショック前の2006年12月以来の高水準となった。当時との違いは企業の規模・業種・業態を問わず、また都市部だけではなく地方においても景況感がよい点」とし、18年はSociety 5.0時代の新しい付加価値の創生で生産性革命を進めるため、設備投資や人材投資に積極的な企業には思い切った減税を行うとし、経済の好循環をさらに継続していくため、18年も「3%の賃上げなど積極的な挑戦をしてほしい」と訴えた。

岩沙弘道審議員会議長は、「経団連は、Society 5.0の社会実装を進めることで、超スマート社会を推進し、日本経済のさらなる飛躍に貢献しなければならない」と強調。長時間労働の是正や、多様な人材の活躍推進を通じた生産性の向上が必要であることに言及し、「賃上げのみならず、福利厚生や教育投資の充実などを通じ、従業員のキャリアや生活の質を高めていくことが重要だ」とした。また、東京オリンピック・パラリンピックやラグビーワールドカップなど、国家的イベントの成功に向けて、「オールジャパンで取り組むべきだ」と訴えた。

続いてあいさつした榊原定征会長は、「経団連としても、GDP600兆円経済実現に向けて、政治との緊密な連携のもとに重要政策課題の実現に全力で取り組む」としたうえで、優先的に取り組むべき課題として、Society 5.0の実現をはじめとする「成長戦略の推進」、規制改革や税制改革など企業活動を促進する「構造改革の推進」、各国との経済連携を加速させる「経済外交の推進」を挙げるとともに、25年の万国博覧会の誘致実現に向け引き続きの支援を呼びかけた。

■ 講演「人手不足を越えて~持続的経済成長への展望」
黒田日銀総裁

講演する黒田日銀総裁

日本経済は、世界経済のバランスのとれた成長にも後押しされて着実に改善し、外需と内需、民需と公需といった複数の柱に支えられ、緩やかに拡大している。今回の景気回復局面の特徴としては、その裾野が企業規模や地域を問わず幅広い経済主体に広がっていることや、息が長く戦後2番目の長さに達していることが挙げられる。

過去の景気回復局面を振り返ると、現在と同様に人手不足が顕著であった「いざなぎ景気」や「平成景気」では、賃金が上昇するもとで、物価や労働生産性も上昇し、所得から支出への前向きな循環メカニズムがしっかりと働いた。この点、今回の景気回復局面でも、賃金上昇圧力の高まりが、企業に対して販売価格の引き上げや労働生産性の向上を促している。これまでのところ、長く続いたデフレの経験が大きく影響して、企業の賃金・価格設定スタンスが積極化してくるのに時間がかかっているが、賃金の上昇を促す環境は間違いなく整いつつある。先行きについても、きわめて緩和的な金融環境が後押しするなか、景気拡大が続き、労働需給は一段と引き締まっていくと見込まれる。賃金の上昇とともに、物価や労働生産性が上昇し、家計や企業の支出活動が活発化していくメカニズムは、今後ますます強くなっていくとみている。

人手不足は個々の企業にとって経営上の大きな課題であるが、それが日本経済の成長制約になるとの悲観論にはくみしていない。日本経済は、短期的には制約と思われることがあっても、それを乗り越えることで成長してきた。今回も、デフレマインドを捨て去り、前向きにチャレンジする企業は現れ始めている。こうした企業が増えていけば、経済全体としても、賃金や生産性の上昇とともに物価が緩やかに高まる好循環が実現し、持続的な成長につながっていくと考えている。日本銀行としても、引き続き強力な金融緩和を粘り強く進め、中央銀行としてなし得る最大限のサポートを続けていきたい。

※ 全文は日本銀行ウェブサイトに掲載
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2017/ko171226a.htm

【総務本部】

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