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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月15日 No.3354 第70回九州経済懇談会を福岡で開催 -「『稼ぐ力』を高める~GDP600兆円経済への貢献」をテーマに

経団連(榊原定征会長)と九州経済連合会(九経連、麻生泰会長)は3月7日、福岡市内で「第70回九州経済懇談会」を開催した。経団連から榊原会長はじめ審議員会議長、副会長らが、九経連から麻生会長はじめ会員約160名が参加。「『稼ぐ力』を高める~GDP600兆円経済への貢献」を基本テーマに懇談した。

あいさつする榊原会長

懇談会前の昼食懇談会では、久保千春九州大学総長から、産学官連携や人材育成など、大学改革に向けた同大学の取り組みについて説明を聞き、九経連首脳を交え意見交換を行った。

開会あいさつで九経連の麻生会長は、伸び行くアジアとの地理的近さなどを活かし、九州から日本を動かすとの決意を表明。具体的には、クルーズ船受け入れのさらなる拡充や農畜産物・養殖魚などの積極的な海外展開を行い、地方創生のモデルとなるべく努力すると述べた。

続いてあいさつした経団連の榊原会長は、GDP600兆円経済に向け、Society 5.0の推進を柱とする成長戦略が重要との考え方を示した。また、重点課題として、規制改革や社会保障制度改革、経済連携の推進に言及した。さらに、賃金について、賃金引き上げへの社会的期待も意識しながら収益に見合った前向きな検討を行うよう呼びかけた。

経団連の古賀信行副会長は、地方創生の実現に向けて、各地域の特徴を数値により「見える化」して強みを伸ばすことや、各地域の先進事例を「横展開」し、それを参考に自らの地域の強みを活かした取り組みを行うことの重要性を訴えた。

■ 海外への進出、海外市場の取り込みで稼ぐために

「海外への進出、海外市場の取り込みで稼ぐために」をテーマとする懇談では、九経連からの問題提起に対し、経団連から、(1)インバウンドのさらなる増加に向けて、周遊ルートの整備、外国人への情報発信など、攻めの戦略が必要(岩沙弘道審議員会議長)(2)農産物の継続的な輸出には、効率的な物流網整備や動植物検疫等の緩和・撤廃が重要(飯島彰己副会長)(3)九経連が中国との経済交流を積極的に進めていることを心強く思う(進藤孝生副会長)――との発言があった。

■ 官民で取り組む具体的成長戦略

「官民で取り組む具体的成長戦略」をテーマとする懇談では、九経連からの問題提起に対し、経団連から、(1)IoTやAIを通じてSociety 5.0を実現することが、産業競争力の強化や日本社会が抱える課題の解決につながる(山西健一郎副会長)(2)企業や大学などが連携してイノベーションを創出し続ける「イノベーション・エコシステム」の構築が重要(中西宏明副会長)(3)新たな顧客の創造のきっかけとしてプレミアムフライデーを活用してほしい(石塚邦雄副会長)――との発言があった。

■ 「稼ぐ力」を高めるための環境整備

「『稼ぐ力』を高めるための環境整備」をテーマとする懇談では、九経連からの問題提起に対し、経団連から、(1)大企業にとって、尖った技術などを有するベンチャーとの連携が競争力向上のカギ(國部毅副会長)(2)外国クルーズ船を受け入れるため、CIQ(税関、出入国管理、検疫)体制の強化やWiFi環境の整備など、ソフト面での対策が必要(工藤泰三副会長)(3)エネルギーは「稼ぐ力」を高めるための大事な要素であり、S+3Eのバランスを追求することが重要(木村康副会長)――との発言があった。

そのほか、早川茂副会長から、東京オリンピック・パラリンピック等に向けたムーブメントの盛り上げとレガシー形成に関する取り組みの紹介があった。

【総務本部】

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