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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年3月29日 No.3356 提言「戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて」を公表 -官民一体となって質の高いインフラ輸出を促進する

経団連は3月20日、提言「戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて―2017年度版」を公表した。

世界のインフラ需要が急速に拡大するなか、政府はインフラシステムの海外展開を成長戦略の柱と位置づけ、「2020年に約30兆円のインフラシステム受注」を成果目標として設定、各国へのトップセールスや各種施策の拡充等を推進している。世界のインフラ需要を取り込み、豊かで活力ある日本の再生につなげるとともに、各国の経済・社会基盤強化や国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)達成のためにも、わが国企業はハード・ソフトの両面で、質の高いインフラ整備に貢献していくことが期待される。

提言では、質の高いインフラ輸出促進に向けて、インフラシステムの海外展開にかかるわが国経済界の要望等を取りまとめ、日本政府に対し、「経協インフラ戦略会議」のもと、省庁・関係機関の連携・協力や官民連携を進めるとともに、関連施策を拡充し、具体的成果につなげるよう求めている。

■ 受注拡大に向けた課題

(1)国内

政府・各省庁等においては、予算措置の充実と関連制度のさらなる改善、トータルソリューションの提供など国際競争力の強化、質の高いインフラが評価される国際的なルール整備や標準化、第三国市場における協力等の取り組み強化が必要。一帯一路構想を掲げる中国との第三国市場協力については、開放性・透明性・経済性等の前提のもと、具体的案件の形成につながるよう、案件候補に関する情報提供・交換の窓口の設置等を期待する。

ODAについては、ハイスペック借款はじめ新設・拡充された諸制度への理解・活用の促進や、資金供与の迅速化、円借款の魅力を高める総合的なソリューションパッケージの提供推進が必要。JICA(国際協力機構)海外投融資、JBIC(国際協力銀行)投融資、NEXI(日本貿易保険)保険等については、民間ニーズに基づく一層の制度改善や各種審査の迅速化等も重要である。

(2)ホスト国

ホスト国側の制度・運用改善も不可欠であり、継続的な働きかけが必要。質の高いインフラを総合的に評価する入札制度の各国への定着に向けた戦略的対外広報や法制度整備支援、わが国の技術基準・規格の普及・標準化、PPP(Public Private Partnership)活用環境の整備、EPA等の枠組みを活用したビジネス環境整備の重要性等を提言している。

■ 安全の確保

安全の確保は海外事業活動の大前提であり、政府に対し治安情勢に関する高度な情報収集・分析と民間への提供や、ホスト国政府への安全対策強化の働きかけ等を求める。同時に、生体認証や行動検知、街中監視システム等はわが国企業が最先端技術を有し、その活用推進によって各国における安全の確保に貢献できる旨指摘している。

■ 主要国・地域別の関心分野・課題

アジア、中東・北アフリカ、中南米、サブサハラ、ロシア・NIS、北米、欧州、豪州について、国・地域別に関心分野や課題等を整理している。

【国際協力本部】

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