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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年6月14日 No.3365 「平成29年度健康経営度調査結果」に関する報告会を開催

経団連は5月18日、東京・大手町の経団連会館で「平成29年度健康経営度調査」の結果に関する報告会を開催した。「健康経営度調査」を実施している経済産業省の西川和見ヘルスケア産業課長から、2017年度の調査結果や今後の健康経営の方針などについて説明を聞いた後、「健康経営銘柄2018」に選定された3社の企業担当者から、取り組み事例を聞いた。概要は次のとおり。

■ 「健康経営の推進について」(西川ヘルスケア産業課長)

17年度健康経営度調査の回答企業数は1239法人と、前回から513法人増加した。調査結果を踏まえ、「健康経営銘柄2018」として26社を選定(以下、健康銘柄企業)。また、「健康経営優良法人」として大規模法人部門541法人、中小規模法人部門776法人が認定された。

調査結果からみる健康銘柄企業の特徴として、健康保険組合とのコラボヘルスの積極的な実施、食生活の改善や運動推進、メンタルヘルス対策などの各種施策においてユニークな取り組みを行っていることなどがわかった。さらに各種施策と健診結果等との相関関係分析を通じた効果検証を綿密に行っていることも健康銘柄企業の大きな特徴である。

今後の健康経営に関する取り組み方針としては、まず、中小企業への普及推進が重要だと考えている。また、健康経営の企業価値等への寄与度を明らかにしていくことも課題だと認識しており、その観点から組織の活性化に着目した調査項目などを検討していきたい。さらに、メタボ対策のみならず、今後は女性の特有の健康課題のリテラシー向上についても調査に盛り込めないか検討したい。

健康経営を支える公的保険外のヘルスケア産業の市場規模は拡大している。サービスは多岐にわたる一方で玉石混交の面もある。今後、行政としては、民間の自主的な取り組みを通じて良好なサービスの普及に向けた支援が重要だと考えている。

■ 「健康経営銘柄2018」選定企業による取り組み紹介

全日本空輸からは、人財戦略室労政部厚生チームリーダーの佐藤成俊氏が登壇。「ANAグループ健康経営宣言」を中核に、グループ全体を対象とした取り組みとして、全国8カ所にグループ健康管理室を設置し共通の健康管理システムを導入するなどグループ横断的でシームレスな健康管理体制の構築に関する説明があった。また、シフト勤務者も受講可能なeラーニングプログラムの提供、「女性の健康を考えるセミナー」への男性社員の参加の促進、プレゼンティーズム分析を踏まえたKPI設定による疾病予防の取り組みなど、具体的施策の紹介があった。

テルモからは、人事部長の竹田敬治氏が登壇。健康経営推進のポイントとして、経営トップの理解の重要性を強調。同社では経営トップが健康経営にコミットし、定期的に社内外へ発信していることが紹介された。また、具体的な取り組みとして、ウオーキング推進によるメタボ対策、定期健診時のがん検診の必須化や就業時間中の2次健診の奨励、乳がんMRI検査等の費用補助などの施策に関する説明があった。さらにがん就労支援を制度化し、無給休暇の付与などを通じた治療と仕事の両立支援の取り組みについても紹介があった。

凸版印刷からは、人事労政本部労政部長の吉田竜二氏が登壇。同社では健保組合と「健康経営推進協議会」を本社に設置するなどの、会社と健保組合が一体となったコラボヘルスへの積極的な取り組みの状況について説明があった。また、社員や家族の意識向上のための「健康経営ハンドブック」の作成・配布、全社横断的なスポーツイベントの実施などの具体的な施策のほか、事業所の強力な促進活動や自社のビジネスソリューションを活用した受診勧奨の強化により、家族の特定健診受診率が17年度に77%と高い水準となっているとの紹介もあった。

【経済政策本部】

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