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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年8月30日 No.3374 新しい農産物流通のあり方について聞く -農業活性化委員会企画部会

経団連は農業の先端・成長産業化を目指して、農業を核とするフードバリューチェーンの将来像に関する検討を進めている。その一環として8月3日、都内で農業活性化委員会企画部会(髙橋勝俊部会長)を開催し、流通経済研究所の折笠俊輔農業・地域振興研究開発室室長、農家とレストランのマッチングサービスを提供するプラネットテーブルの菊池紳社長から、フードバリューチェーンの最適化の現状と将来像、マーケットインに向けた取り組みなどについて聞くとともに種々懇談した。説明の概要は次のとおり。

■ フードバリューチェーンと農業のこれから(折笠氏)

フードバリューチェーンは大きく変わってきており、生産者・産地と流通の距離は今後さらに縮まっていくと考えている。

これまで、多数の生産者と多数の消費者を仲介する存在として、卸売市場が重要な役割を果たしてきたが、生産者の大規模化や消費者ニーズの多様化に伴って、直接販売や契約栽培による市場外流通が拡大している。改正卸売市場法の成立により、卸売市場は大ロットでの需給調整機能として残りつつも、市場流通と市場外流通の競争が発生するだろう。また、生産・加工・販売の一体化、小売・外食・中食といった業界の垣根を超えた連携が進展しており、「食」ビジネスにおける利益の上げ方も変わっていくことが想定される。

こうしたなか、フードバリューチェーンを最適化するには、個別ニーズに対応して増加する物流コストの削減、農業や食産業で特に顕著な人手不足への対応、プライベートブランドに対抗し得る地域性を持った商品展開の3つがカギとなるだろう。

■ 食料産業を再デザインする(菊池氏)

農業はクリエイティブな産業だが、流通構造を改革しない限り、生産者のモチベーションを維持することができない。そこで当社では、農産物の流通・物流プラットフォーム「SEND」を立ち上げた。

SENDには、4500軒の農家と3700軒のレストランが登録しており、レストランからの注文を受けて、農家が生産物を出荷し、当社の物流網で届けている。あらかじめ食材の需要量を予測し、生産者に作付けを依頼していること、流通手数料を抑えて販売価格の8割相当を農家に還元していることが大きな特徴である。また、生産物を一番よい状態で消費者へ届けたいという生産者の思いに応えるため、産地から消費地までの輸送時間を18.5時間(市場平均は3.8日)にまで短縮した。以上の努力により、流通過程でのロス率は0.88~1%(世界の食料のロス率は流通過程で約15%)である。

登録者は今も拡大しており、今後もこうしたサービスを通じて、生産者のモチベーションを維持し、特に地域の中核を担う若い世代の新規就業者を増やしていきたい。

【産業政策本部】

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