Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2018年10月11日 No.3380  中西会長記者会見

経団連の中西宏明会長は10月9日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

中西会長は冒頭、同日の会長・副会長会議で2021年度以降に入社する学生を対象とする採用選考に関する指針を策定しないことが決まったことを報告。現状をみれば何らかのルールが必要ではあるものの、経団連がルールづくりをしてきたことに抵抗感があるというのが大方の副会長の認識であると説明した。

今後は未来投資会議をはじめ政府の関係会合で21年度以降のルールのあり方を議論、早いペースで議論が進むとの見通しを示し、経団連も積極的に議論に参加していくとした。そのうえで、大学の教育の質を高めることが重要だと強調。学生の学修時間が世界的にみて不十分との認識をもっており、未来投資会議では大学教育のあり方など本質的な議論をしたいとの考えを示した。

他方、企業側にも反省点はあるとして、すでに多くの企業が新卒一括採用のみならず中途採用などを行うなか、学生にどのような勉強をしてほしいのか、入社後のキャリア形成をどう用意しているのかといったことについて、企業から社会全体に十分に伝えてこなかったと説明。今後の採用のあり方についても議論していきたいと述べた。

政治との連携強化については、今年も政策評価を取りまとめ、政治寄付を会員企業に呼びかけると表明。社会貢献の一環として政治寄付で政治活動を支えるべきとの経団連の考えを説明した。政治献金を判断するにあたっては、各政党、特に政権政党による政策実行を評価すべきであり、政策を担う政権与党である自民党・公明党に対しての評価になることは変わらないと言及した。

エネルギーミックスをめぐっては、再生可能エネルギーを基幹電源とすることに誰も反対はないものの、再エネを安定的に供給するための投資が必要であり、投資環境の整備が求められると指摘。わが国の再エネは世界に比べて高コストであり、固定価格買取制度(FIT)も含めて大幅に見直していく必要があると述べた。

さらに制度、料金、技術、分散型電源のあり方などさまざまな課題があり、その解決には時間がかかるが挑戦していかねばならないと指摘。再エネの数字をいくつにするかといった議論をする段階にはないとして、諸課題の解決に向けてしっかり議論していくとの意向を示した。

【広報本部】