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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年12月6日 No.3388 都市再生の現状と課題について国交省から聞く -都市・住宅政策委員会企画部会・PPP推進部会

経団連では、Society 5.0時代の大都市の姿と、その国際競争力強化に必要な施策等に関する提言の取りまとめに向けて、検討を進めている。そこで11月15日、都内で都市・住宅政策委員会企画部会(安達博治部会長)・PPP推進部会(竹内俊一部会長)合同部会を開催し、国土交通省の青木由行都市局長から、都市再生の現状と課題、関連する施策等について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

◇◇◇

現在の都市再生の取り組みは、小泉内閣時代にさかのぼる。民間投資を促進する内需刺激策として、また、産業構造の転換への対応や都市の国際競争力の強化を図るため、都市開発に対する支援施策が創設された。その後、リーマン・ショックや東日本大震災を経てアベノミクスの時代に入り、国家戦略特区制度とともに都市再生に関する施策が整えられてきた。

政府の都市再生本部においては、都市再生特別措置法に基づき、都市再生の拠点となる地域を指定している。東京・虎ノ門や大阪・うめきた地区の再開発等、全国55地域が指定されており、これらの地域では、容積率や高さなどの規制の特例、事業にかかる認可等の迅速化、金融支援・税制支援などのメリットを享受できる。指定地域では、他の地域より人口、世帯数、地価の上昇が顕著であり、都市再生の取り組みの効果が出ていると考えている。

最近ではビジネス環境に加えて、外国人材や企業の増加などダイバーシティの観点も踏まえて居住環境の質を向上させる動きがある。例えば、インターナショナルスクールやサービスアパートメントの供給が増えているほか、国家戦略特区では外国人医師の受け入れも進む。これまでビル陰等に隠されていた河川を開放し、水辺を活かす再整備の動きもある。また、ビル単体のみの魅力ではなく、地域全体の価値を高めるエリアマネジメントの取り組みも活発化している。

スマートシティについて、従来は、環境・エネルギー分野が中心であったが、近年、交通、災害対応など多様な分野に拡大するとともに、国内外で分野横断的な取り組みが進展している。国交省は経団連と連携し、来年度からSociety 5.0を具体化する都市モデルとして、意欲ある自治体や企業とともに実際の都市にICT、データを活用したシステムを実装する取り組みを行う予定である。

今後の課題としては、激化する世界の都市間競争への対応がある。各種の都市ランキング調査によれば、東京の課題は「イノベーション」「人材確保」「文化・交流」「自然災害リスク」等であり、アジアにおいてライバル都市から突出した存在になるには、これらの課題をいかに克服するかが重要である。また、日本が今後、人口減少下での成長を目指すためには、まちのイノベーション空間の充実が急がれる。最近では各企業が、社員の動線に配慮したオフィス設計やフリーアドレスの導入など、イノベーション創出に向けたオフィスづくりのほか、コワーキングスペースの導入を進めている。

<意見交換>

委員から「人口動態が変化するなか、働き方改革、AIの活用が進めば、都心で仕事をする人は減少する。新規のオフィス供給は続いており、需要とのバランスはどうか」と質問。これに対して青木局長は「人口減少のポジティブな面をみると、1人当たりが使える空間の拡大など、よりゆとりある環境の創出が可能になる。豊かに空間を使ってイノベーションを起こすシナリオを描くことが重要であり、現在のオフィスビル、サテライトオフィス、コワーキングスペースの整備の動きには、すでにその一端が表れているのではないか」との認識を示した。

【産業政策本部】

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