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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年1月24日 No.3393 在ロシア日本センター所長との懇談会を開催 -各地の経済情勢や日露経済交流の現状と展望など/日本ロシア経済委員会

経団連の日本ロシア経済委員会(朝田照男委員長)は1月11日、日本政府が日露経済交流促進を目的とし、ロシア国内6カ所に設置した日本センターの各所長との懇談会を東京・大手町の経団連会館で開催した。任地の経済情勢や日露経済交流の現状、今後の展望等に関する各所長の説明の概要は次のとおり。

■ 濵野道博モスクワ所長

2018年のロシア経済は底を打って上昇に転じたとされるが、勢いは依然弱い。年金受給開始年齢の引き上げにみられるように、内政の特徴は、社会政策の後退、国民への応分の負担要請である。

「ロシアにおける日本年」にあたる昨年、当センターでは8項目の「協力プラン」(注)を軸に、とりわけ医療やIT等の分野における企業交流を積極的に支援した。若手企業人が地域経済発展の担い手となりつつあるなか、日本とのビジネスマッチングに一層取り組みたい。

■ 佐竹昭彦サンクトペテルブルク所長

自動車産業が盛んな地域を管轄する当センターでは、特にサービス業のカイゼンに関する巡回講座やOJT訪日研修等を手掛け、人的交流の拡大に努めた。

また、現地調達可能な食材を利用した本格的日本料理や日本語会話に関する講座も好評を博した。

■ 椚田豊ニジニー・ノヴゴロド所長

ボルガ川沿いの当地では、自動車・航空等の製造業、鉱工業等が主要産業であり、自動車を中心に日系企業も26社進出している。昨年9月に就任したグレブ・ニキーチン州知事は、非エネルギー資源の輸出を促進する会議や国内外企業との懇談会を開催するなど、投資誘致に精力的である。

昨年のサッカーW杯では、市民ボランティア向け日本語講座など、文化関連行事にも注力した。

■ 石畠康充ハバロフスク所長

昨年12月、極東連邦管区の代表部がハバロフスクからウラジオストクに移管された。また、ブリヤート共和国とザバイカル地方がシベリア連邦管区から編入されたことに伴い、極東連邦管区はロシア全土の40.6%の面積を占めるに至った。

当地で注目すべき動きは、日露合弁による温室野菜栽培事業や、ハバロフスク国際空港新ターミナル建設・運営に関する日本企業連合の参加等である。極東の中心はウラジオストクに移転したが、豊富な天然資源を背景とした原材料の供給地として、当地にも来訪願いたい。

■ 向井一良ウラジオストク所長

当地では、毎年9月に開催される東方経済フォーラムや新経済特区・ウラジオストク自由港等の施策のほか、文化・芸術振興も盛んである。

水産業や医療、ホテル業ほか約60の日系企業が進出している。当地と東京・札幌をおのおの週9便・2便の航空便が結んでおり、今後とも人流の拡大が期待される。

■ 鏡芳和サハリン所長

州都ユジノサハリンスクの人口は約20万人、ウラジオストクの3分の1にすぎず、エネルギー産業や水産業を除き、日本側の関心は相対的に低い。

一方、北海道との経済・文化交流は極めて濃密で、日本への関心の高さが顕著である。近く開所する温泉リゾートなど、州政府が注力する観光を中心に人的交流が拡大していくのを期待している。

(注)8項目の「協力プラン」=2016年5月のソチにおける日露首脳会談で、安倍晋三首相がウラジーミル・プーチン大統領に提示した、8項目からなる日露間の経済協力プラン((1)健康寿命の伸長 (2)快適・清潔で住みやすく、活動しやすい都市づくり (3)中小企業交流・協力の抜本的拡大 (4)エネルギー (5)ロシアの産業多様化・生産性向上 (6)極東の産業振興・輸出基地化 (7)先端技術協力 (8)人的交流の抜本的拡大)

【国際経済本部】

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