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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月21日 No.3397 農林水産物・食品の輸出拡大に向けたヒントを探る -農業活性化委員会企画部会

経団連は1月18日、東京・大手町の経団連会館で農業活性化委員会企画部会(髙橋勝俊部会長)を開催し、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)の大泉裕樹事務局長から、輸出拡大に向けたわが国農林水産物・食品のブランディングやマーケティングにおける課題等について聞いた。概要は次のとおり。

◇◇◇

日本で内需の縮小が宿命的となるなか、JFOODOでは、農林水産物・食品の輸出額1兆円という政府目標達成の象徴事例をつくり上げたいと考えている。そのためには、ブランディングの本質を踏まえ、成功事例を積み上げていく必要がある。

まず、ブランディングにおいては、(1)そのブランド固有の意味の定義づけ(2)ブランドの意味を彷彿させるロゴの規定(3)産品・製品体験やプロモーションによるブランドの意味の蓄積――という流れをつくることが重要である。次に、プロモーションの段階では、課題と目的を明確にしたうえで、品目別の目標達成に資する施策をピラミッド状に組み立て、実行に移すことが重要である。

JFOODOは、輸出額や伸び率等を念頭に有望品目を7つ策定のうえ、プロモーションをかけることでボトルネックのブレークスルーにつながる戦略仮説を立て、その実行を図ってきている。例えば、日本酒はワインに比べてメニューのなかで想起されにくいことから、日本酒を想起させるカギとなる食材「キーディッシュ」を設定することで、外食における日本酒の消費増加を図った。水産物については、香港における魚の文化的意味と結びつけたコンセプトを切り口に消費者の興味・関心を喚起した。日本茶については、米国のミレニアル世代を中心としたマインドフルネスブームに着目し、緑茶の持つ精神的機能を活かしたプロモーションを展開した。2017年度の取り組みの結果、各品目で輸出量・輸出額の拡大等の成果がみられた。

農林水産物・食品の外需創造・拡大にあたり、プロダクトアウトからマーケットインへの視点を持つとともに、連続的にマーケティング投資を図るなど、従来の手法を抜本的に改革すべきである。特に、JFOODOの広告・広報活動に事業者の販売促進活動を連動してもらえるよう、またそれを実現するための商談を強化するよう、事業者へ働きかけていきたい。経団連にも、JFOODOの活動に協力いただきたい。

【産業政策本部】

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