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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年2月28日 No.3398 東海地域経済懇談会を名古屋で開催 -「『Society 5.0 for SDGs』の実現に向けて」をテーマに

あいさつする中西会長

経団連(中西宏明会長)と中部経済連合会(中経連、豊田鐵郎会長)、東海商工会議所連合会(東海連、山本亜土会長)は2月13日、名古屋市内で「東海地域経済懇談会」を開催した。経団連から中西会長をはじめ審議員会議長、副会長らが、中経連および東海連から豊田会長、山本会長をはじめ会員約250名が参加。「『Society 5.0 for SDGs』の実現に向けて」を基本テーマに懇談した。

開会あいさつで中経連の豊田会長は、世界経済の不透明感の高まりや、デジタル技術の革新による市場の変化に中部圏が飲み込まれかねないとしたうえで、中部圏が引き続き成長力を維持していくために、当地の強みであるものづくり基盤とデジタル技術を融合させ、高い生産性と付加価値の実現を目指していくと述べた。また、少子高齢化・人口減少下で東京一極集中が進むなか、各地域が知恵を絞って地域活性化に取り組む重要性についても言及した。

続いてあいさつした経団連の中西会長は、日本経済は安定成長を遂げている一方で、国際情勢は不安定な状況であるとしたうえで、経団連として、(1)成長戦略の実現(2)社会保障改革などの構造改革の推進(3)自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化に向けた経済外交の推進――に取り組むとの決意を表明した。とりわけ、成長戦略については、デジタルの力で社会課題を解決する「Society 5.0」の実現を図るとともに、働き方改革による生産性向上や、産学の連携による人材育成などに取り組むと説明した。

■ 活力ある地域づくり

「活力ある地域づくり」をテーマとする懇談では、中経連および東海連からの問題提起に対し、経団連から、(1)リニア中央新幹線開通による効果を活かすためには、リニア駅から観光地などへのアクセス向上や、リニア駅周辺エリアにおける一体的なまちづくりが不可欠(古賀信行審議員会議長)(2)観光産業の成長に向けて、地域や産業間の連携、DMO(Destination Management/Marketing Organization)の組織化およびその組織を牽引する人材の育成、MaaS(Mobility as a Service)などを活用した観光産業の生産性向上が必要(冨田哲郎副会長)(3)データ利活用にも資するキャッシュレス化の推進や、健康増進やリカレント教育などにも対応するプレミアムフライデーの実施により、個人消費の拡大に取り組む(石塚邦雄副会長)(4)防災・減災に向けて、BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)の構築や、災害時における官民でのデータ共有・活用、国土強靱化税制の整備などが重要(山内隆司副会長)――との発言があった。

■ 産業競争力の強化

「産業競争力の強化」をテーマとする懇談では、中経連および東海連からの問題提起に対し、経団連から、(1)「Society 5.0」の実現に向けて、デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合が求められ、とりわけ、企業がイノベーション・エコシステムの中核を担うことが重要(山西健一郎副会長)(2)ベンチャー・エコシステムの進展には、大企業に集積する技術などのスタートアップへの解放や、地域金融機関などによるリスクマネー供給拡大が必要(岡本毅副会長)(3)イノベーション創出や人手不足への対応として、専門性や技能を有する外国人材の受け入れを進めるため、行政と企業の双方で環境整備を行うことが重要(隅修三副会長)(4)イノベーションによって付加価値の高いサービスや商品を創出し、労働生産性を向上するためには、人材育成や多様な人材を活かすダイバーシティ経営が重要(工藤泰三副会長)(5)ルールに基づく自由で開かれた国際経済秩序を維持・強化すべく、3月に開催するB20サミットの場などを活用して各国経済団体との連携を強める(早川茂副会長)(6)温室効果ガスの排出削減には、グローバル・バリューチェーンを通じた取り組みや、再生可能エネルギーの主力電源化、原子力の将来にわたる選択肢としての維持が重要(杉森務副会長)――との発言があった。

閉会あいさつでは、東海連の山本会長が、「イノベーション」への取り組みと「住みやすさ」を大切にした地域づくりの重要性を指摘したうえで、東海三県の豊富な文化観光資源とあわせて地域の魅力や面白さを内外にアピールしていくと述べた。

翌14日、一行は中経連の豊田会長、東海連の山本会長とともに静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所を訪問。安全対策設備や原子力研修センターなどを視察し、発電所の安全対策等について説明を受けた。

浜岡原子力発電所にて防波壁を視察

【総務本部】

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