1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2019年3月7日 No.3399
  5. 「今後の職場における学習のあり方」について聞く

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2019年3月7日 No.3399 「今後の職場における学習のあり方」について聞く -北海道大学の松尾教授から/雇用政策委員会人事・労務部会

経団連の雇用政策委員会人事・労務部会(國分裕之部会長)は2月19日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、北海道大学大学院経済学研究院の松尾睦教授から、「今後の職場における学習のあり方~仕事を通じた学びの最大化」について説明を聞いた。概要は次のとおり。

■ 仕事経験からの学び

アメリカの研究機関によれば、人材育成の源は「仕事経験(ジョブアサイン)」が7割を占めている。これに加えて、「他者からの指導(OJT)」が2割、「研修や読書」が1割となっており、これらをしっかりとつなげることが重要である。

経験したことを振り返って、教訓を引き出し、次に活かしていくサイクルを回すことが人材に成長をもたらす。マネジャーには、部下の学びのサイクルを回す支援が求められる。

■ マネジャーの育成力の測定・評価

高業績のマネジャーには、自分のやり方を押しつけるタイプ(ゴリゴリ系)と、部下の強みを引き出すタイプ(育成系)の2つがある。

前者は短期的には企業にプラスとなるが、人材が育ちにくい。他方、後者はモチベーションの高い人材がよく育ち、中長期的に企業にプラスとなる。将来に大きな違いが生じることになる。

企業にヒアリングすると、マネジャーの育成能力を測定・把握し、活用している企業は少ない。育成能力のデータを活用することで中長期的な企業のパフォーマンスを向上させることができる。おそらく企業では、何らかのかたちで育成能力に関するデータを持っている。その積極的な活用を進めるべきである。

■ 人材の強みを引き出すマネジメント

マネジャーの第1の務めは、人材の強みを引き出すことである。人材の強みには、目に見えているものだけでなく、眠っている強みがある。

潜在的な強みを引き出すカギは、「期待」と「意味づけ」である。育て上手なマネジャーはまず、部下に期待して成長ゴールを設定し、仕事に取り組む意味を言葉で説明する。そして、途中で問題点だけでなく、成長した点を振り返りながら、最後まで仕事をやり切らせて強みを認識させている。

成長ゴールは、会社と個人の成長がイコールになるよう設定することが望ましい。具体的には、目標管理シートなどのツールを活用して、引き出したい強みや任せる仕事、そして成長ゴールを明確にして、評価することが有効である。

■ ミドルマネジャーと中堅の連携

激化する競争への対応やコンプライアンスの遵守などミドルマネジャーにかかる負荷が過大になっている。

こうしたなか、あらゆるリーダーシップを一個人が発揮する単独型リーダーシップではなく、複数メンバーによる共有(分散・連携)型のリーダーシップが求められている。実際に人が育つ職場では、マネジャーの右腕となる中堅が前面に出て、多層的な体制をつくり上げている。こうした環境においては、中堅・スタッフともに成長が促される。

■ 今後の職場における学習のあり方

仕事を通じた学びを最大化するためには、(1)マネジャーの人材育成力を測定・評価して伸ばすこと(2)「期待」と「意味づけ」で、社員の強みを引き出す「しくみ」を整えること(3)ミドルマネジャーと右腕中堅(次世代マネジャー)が連携する体制を構築して人材育成を進めること――の3つが大きなポイントとなる。

【労働政策本部】

「2019年3月7日 No.3399」一覧はこちら

「週刊 経団連タイムス」一覧はこちら