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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年4月4日 No.3403 少子化対策・子ども子育て支援制度の現状に関する説明会開催

経団連は3月18日、東京・大手町の経団連会館で「少子化対策・子ども子育て制度の現状に関する説明会」を開催し、内閣府の川又竹男審議官から、少子化対策ならびに子ども子育て支援をめぐる最近の動向について説明を聞き、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 日本の人口構造の推移

日本の人口は2016年度時点で1億2千万人強であるが、将来人口推計によれば、65年には約8800万人まで減少する見込みである。この時点の人口は、昭和20年代後半と同水準だが、65歳以上の高齢者人口が4割を占めるなど構成は異なる。2030年以降、高齢者数は減少するが、それ以上に15~64歳の人口が減少することが今後の大きな課題である。

出生率は、05年の1.26を底に、17年には1.43と持ち直してきたが、同年の出生数は約94万人と過去最少であった。こうした出生率低下の要因は、晩婚化・未婚化の進行と、結婚した夫婦からの出生児数の減少である。

また、日本では家族関係の社会支出が少ないことが、少子化の一因となっているとの指摘もある。諸外国と家族関係の社会支出の対GDP比を比較すると、確かに日本は、13年時点で出生率の高いフランスやイギリス、スウェーデンと比べて少ないが、近年、少子化対策・子ども子育て支援を進めてきていることを考慮すれば、対GDP比の家族関係社会支出も増加することが見込まれる。

■ 少子化、人口減少問題への政府の取り組み

安倍内閣では、15年の「少子化社会対策大綱」以降、継続的に少子化対策に取り組んできた。同大綱では、子ども子育て支援新制度の施行や結婚支援制度を盛り込んだ。翌年の「ニッポン一億総活躍プラン」では、「希望出生率1.8」の実現に向けて、結婚や妊娠・出産・子育てなどのさまざまな場面での環境整備を進めてきた。特に、待機児童解消に向けては、基礎自治体と企業主導型保育事業によって保育の受け皿拡大を図ったことにより、18年の待機児童数は1万9895人となり、10年ぶりに2万人を下回る結果となった。他方で、女性の就業率と1、2歳保育園等利用率はともに上昇傾向を続けていることから、17年の「子育て安心プラン」で示した目標である、19年までの待機児童の解消、その後の「M字カーブ」解消に向けて、継続的な取り組みが必要である。あわせて、就学児童についても、18年から放課後児童クラブの量的拡充を図る「新・放課後子ども総合プラン」がスタートし、21年度末までに待機児童の解消を目指している。

さらに、17年末には「人づくり革命」として、全世代型社会保障の実現に向けて、幼児教育の無償化などを含む「新しい経済政策パッケージ」を策定した。この背景として、各種調査で子育てや教育にかかる費用の負担が少子化の要因の1つと指摘されたことが挙げられる。

加えて、16年に創設された企業主導型保育事業については、3年目を迎え、保育サービスの質や事業の継続性などの面で課題が指摘されてきた。これらの課題に対応するため、昨年12月に「企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会」を立ち上げ、検討を重ね、今般、その結果を報告書として取りまとめた。具体的には、保育の質の確保・向上の観点では保育所開設前の審査の充実や、保育事業者設置型施設の新規参入時・運営時のルール見直し、また、事業の継続性確保の観点では自治体との適切な連携体制の構築などの方針を盛り込んだ。

このほか、子供の未来応援国民運動について紹介があった。

【経済政策本部】

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