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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年5月23日 No.3408 テレーザ・クリスチーナ・ブラジル農務相との懇談会を開催 -日本ブラジル経済委員会企画部会

テレーザ・クリスチーナ農務相(中央)と
サボイア駐日大使(左)、大前部会長(右)

経団連の日本ブラジル経済委員会企画部会(大前孝雄部会長)は5月9日、東京・大手町の経団連会館でブラジルのテレーザ・クリスチーナ農務大臣との懇談会を開催し、近年のブラジルの構造改革の進展状況、農業生産性の向上の課題や穀物輸送インフラ整備のための取り組み等を聞き意見交換を行った。ブラジル下院議員8名のほか、同国の農業生産者連盟の関係者なども出席し、活発な意見交換が行われた。テレーザ・クリスチーナ農務相の説明の概要は次のとおり。

■ 構造改革の進展状況

今年発足したボルソナーロ政権はビジネス環境改善と経済成長回復に向けて年金改革、税制改革をはじめとするさまざまな構造改革に取り組んでいる。ボルソナーロ政権はビジネスの予見可能性や安定性を向上させ、民間による投資を促進する方針である。

■ 農業生産性の向上

ブラジルは世界最大の農産品生産国・輸出国であり、アグロビジネスはGDP全体の約2割を占めるとともに、労働力の2割に相当する1800万人の雇用を創出している。官民の研究開発によって農業生産性は向上を続けており、生産高は今後も成長を続ける見込みである。国連食糧農業機関によると、世界人口が2050年までに100億人に到達すると予測されているなか、世界の食料安全保障において不可欠な食料供給国である。

■ 環境問題への取り組み

農業生産性の向上とともに環境への配慮も重視し、環境保全の政策や取り組みを展開している。平均気温の上昇や降雨量の変化をはじめとする気候変動は農業に大きな影響を与えるため、30年までに二酸化炭素排出量を05年比で43%削減する目標を掲げるなどの政策を通じて、農業の発展と環境保全の両立に取り組んでいる。

■ 穀物輸送インフラ整備

ブラジルの国土は広大であるため、農産物を港までトラックで輸送するコストが非常に高い。現在は輸送マトリクスを変更し、より競争力の高い鉄道へと輸送手段を変換することを目指し、インフラ整備に取り組んでいる。また、インターネットや通信の接続が十分に安定しておらず、最新の通信網を利用できない地域があるという点も課題である。日本との連携によって解決していきたい。

【国際協力本部】

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