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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年10月10日 No.3426 スリヤ・タイ工業相との懇談会を開催 ― タイの産業政策や人材育成政策を聞く

発言するスリヤ工業相

経団連の日タイ貿易経済委員会(大八木成男委員長、鈴木善久委員長)は9月25日、東京・大手町の経団連会館でタイのスリヤ・ジュンルンルアンキット工業大臣との懇談会を開催し、タイ新政権における産業政策や人材育成政策を聞くとともに、タイ進出日本企業が直面する諸課題などについて意見交換を行った。概要は次のとおり。

■産業政策「タイランド4.0」の策定と実行

タイの周辺にはライバルとなる国が多い。例えば隣国ベトナムは毎年6~7%の経済成長を遂げ、人件費も安いため、繊維をはじめとする分野で競い合っている。こうしたなか、タイ政府は産業政策「タイランド4.0」を策定した。これは周辺国との競合を回避するとともに競争優位となる産業の育成を目指すものである。電気自動車、ロボット、デジタルソフトウエア、次世代医療、鉄道、航空業等、創造的でIT技術を必要とする12の産業分野に重点的に取り組む。

タイは自動車産業・電気電子産業等の裾野産業が厚く、立地条件もよい。タイで製造した製品をカンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア等の周辺国に輸出し、タイを中心とする経済圏の構築を図っていきたい。

■STEM人材育成のための政策

現在世界中でIT人材およびSTEM人材(科学・技術・工学・数学分野に精通した理工系人材)が不足している。これを解決すべく、タイではSTEM人材育成のため教育省の高等教育委員会を科学技術省と統合し、高等教育・研究開発省を立ち上げた。STEM人材を育成する企業に対してタイ国投資委員会(BOI)による恩典を付与するなどの政策を打ち出している。

ソムキット副首相はSTEM人材の育成を重要政策として特に注力しており、内閣会合において700億円相当の予算を充てることが決定された。

<意見交換>

委員から、政治の安定性について質問があった。これに対して大臣は、タイの政治情勢について「19政党が連立政権を組成して政策遂行にあたっている。連立政党間で意見交換を行っており、上・下両院の構成を考慮すると、すぐに総選挙が実施されるとは考えていない。タイの政治は着実に安定してきている」との認識を示した。

また、外国人就労に関する規制についての質問に、大臣は「タイでは周辺国からの労働者が100万人単位で就労しており、一定のタイ人雇用の義務化やビザの定期更新などの制約がある。ただ、外国人専門家の受け入れはタイへの技術移転につながることから、内閣は内務省に対して諸規制の緩和を検討するよう働きかけている」と述べた。これに関連し、同席したBOI幹部からは、BOI奨励企業になればタイで事業を行う外国企業に対する労働規制の緩和を含む各種恩典を享受できるとして、認可申請を行うよう提案がなされた。

【国際協力本部】

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