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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年11月7日 No.3430 第48回中国地方経済懇談会を松江で開催 -「『Society 5.0 for SDGs』で未来を切り拓く~中国地方と日本の持続的発展に向けて」を基本テーマに

経団連と中国経済連合会(中国経連、苅田知英会長)は10月28日、松江市内で「第48回中国地方経済懇談会」を開催した。経団連から古賀信行審議員会議長はじめ副会長らが、中国経連から苅田会長はじめ会員約220名が参加。「『Society 5.0 for SDGs』で未来を切り拓く~中国地方と日本の持続的発展に向けて」を基本テーマに懇談した。

懇談会前の昼食懇談会では、今年度開学70周年を迎える島根大学の服部泰直学長から、地方創生に向けた取り組みなどについて説明を聞き、中国経連首脳を交えて意見交換を行った。

◇◇◇

経済懇談会の開会あいさつで中国経連の苅田会長は、人口減少と超高齢社会という構造的な課題に直面している中国地方が今後も持続的な発展を遂げていくため、「デジタル革新による産業イノベーションの推進」「地域の持つ資源を最大限に活用し、自律的な成長を遂げることができる地域づくり」の2つの視点で取り組みを進めていると説明。オープンイノベーションの推進や地域の強みを活かした広域的な経済圏の確立に意欲を示した。

続いてあいさつした経団連の古賀審議員会議長は、多様な課題をむしろチャンスととらえ、目指す未来社会の実現に向けてオールジャパンで取り組む必要があると応じたうえで、「Society 5.0」はいよいよ社会実装のフェーズに入ると指摘。その実現に向けて経団連として総力を挙げて取り組むと同時に、経済構造改革の推進、持続可能なエネルギー・環境政策の実現、民間経済外交の展開に取り組むと表明した。

■ 産業競争力の強化

「産業競争力の強化」をテーマとする懇談では、オープンイノベーションを通じた基幹産業の競争力強化や新規成長産業の育成、インバウンド観光の振興、エネルギー・環境政策の推進等に関する中国経連からの発言に対し、経団連から、

  1. (1)課題解決や価値創造に取り組むスタートアップの振興を図るとともに、オープンイノベーションが促進されるよう、積極的な役割を果たす(山西健一郎副会長)
  2. (2)オープンイノベーションにおいては産学官の連携が不可欠であり、将来ビジョンを共有したうえで求める人材についての共通理解を持つことが必要(渡邉光一郎副会長)
  3. (3)スポーツのナショナルイベントが続くこの機会をとらえ、各地の魅力を観光資源として磨き上げ、広く発信することで、イベント後も日本への関心を持続させることが必要(國部毅副会長)
  4. (4)エネルギー政策の根幹はS+3E(大前提の安全性+安定供給・経済効率性・環境性のバランス確保)であり、そのためにはわが国の地理的・経済的事情を踏まえたベストミックスの追求が不可欠(越智仁副会長)
  5. (5)「低炭素社会実行計画」を通じた各社・各業界による温室効果ガスの着実な削減や、民主導のイノベーションの実現など、地球規模での温暖化対策に主体的に取り組む(杉森務副会長)

――との発言があった。

■ 活力ある地域づくり

「活力ある地域づくり」をテーマとする懇談では、データが主導する社会の実現、地域を牽引する経済圏の形成、働き方改革等による多様な人材の取り込み等に関する中国経連からの問題提起に対し、経団連から、

  1. (1)データ活用を進めるためには、制度の整備と、企業自らのマインド・機運の醸成が必要(石塚邦雄副会長)
  2. (2)地域の中核となる産業について広域で振興を図るとともに、一定規模を有する経済圏域を軸としてビジョン・戦略を策定していく視点が重要(隅修三副会長)
  3. (3)地方における人材不足の解消手段として、魅力ある職場がたくさんあることを発信していくことが重要(岡本毅副会長)
  4. (4)オリンピック・パラリンピック等経済界協議会では、2020年大会を盛り上げるため、オールジャパンでの取り組みを加速している(久保田政一事務総長)

――との発言があった。

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中国電力島根原子力発電所を視察する一行

翌29日、一行は、中国経連の苅田会長らとともに出雲大社を参拝した後、中国電力島根原子力発電所を訪問し、適合性審査中の3号機を視察。安全性の確保に向けた取り組み等について説明を聞いた。

【総務本部】

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