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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月5日 No.3434 外為法改正案について意見交換 -スタートアップ委員会スタートアップ政策タスクフォース

経団連は11月7日、東京・大手町の経団連会館でスタートアップ委員会スタートアップ政策タスクフォース(出雲充座長)の第4回会合を開催し、経済産業省の鮫島大幸貿易経済協力局安全保障貿易管理政策課制度審議室長、財務省の桜田雄紀国際局調査課企画官らから外国為替及び外国貿易法(外為法)改正案について説明を聞き意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 外為法改正案について(経済産業省・鮫島室長)

安全保障等の観点から、外為法では、一部業種を対象として外国投資家からの投資行為に事前届出を義務づけている(対内直接投資管理)。代表的な対象業種は武器、航空機、宇宙、原子力などであるが、今年、情報処理やソフトウエアが追加された。

さらに、近年、米国や欧州が機微技術の流出防止等を図るべく対内投資に対する管理強化を進めている情勢に鑑み、わが国でも対内直接投資管理を強化する改正に踏み切った。

現行制度では、上場企業を対象に外国投資家が株式の10%以上を取得する場合は一律に事前届出を課している。改正後ではその基準を1%に引き下げる。その一方で、国の安全等を損なうおそれのない投資については、事前届出を免除して投資を促進する。免除の具体的な範囲はこれから政令・告示で規定していく。

投資促進という観点からは、ベンチャーファンドなどの投資組合における届出義務者の見直しも行う。現行制度では、外国投資家が資金をわずかでもファンドに拠出していると、外国投資家一人ひとりに事前届出義務が生じてしまい煩雑であった。そこで、改正後は届出義務者を投資組合に一本化する。さらに、ファンド運営者(GP=無限責任組合員)が日本の投資家であり、かつ、ファンドにおける外国比率が50%未満であれば届出義務は生じない。

同改正案は今まさに国会で審議中だが(※)、改正の目的はわが国の安全保障を図ること、とりわけ技術流出を防止することであり、投資を阻害することではない。スタートアップが持つビジネスのアイデアや技術をしっかり支援できる法律にしていきたい。

◇◇◇

説明を受けてタスクフォース委員からは、「制度内容自体は納得できるもの。投資家やスタートアップに正しく伝わるよう発信の仕方を工夫してほしい」「事前届出の結果、情報が流出するのではないかと誤解している外国投資家もいる。情報流出はないと明示的にうたってほしい」などの意見が出された。

※ 改正法は11月22日に可決・成立

【産業技術本部】

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