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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月13日 No.3442 東海地域経済懇談会を名古屋で開催 -「デジタル技術を活かし、人間的で幸福な暮らしの実現と社会課題の解決を」を基本テーマに

経団連と中部経済連合会(中経連、豊田鐵郎会長)、東海商工会議所連合会(東海連、山本亜土会長)は2月4日、名古屋市内で東海地域経済懇談会を開催した。経団連から古賀信行審議員会議長はじめ副会長らが、中経連および東海連から豊田会長、山本会長をはじめ会員約260名が参加。「デジタル技術を活かし、人間的で幸福な暮らしの実現と社会課題の解決を」を基本テーマに懇談した。

懇談会前の昼食懇談会では、名古屋大学の松尾清一総長から、産学官連携やスタートアップ育成、同大学と岐阜大学の統合による東海国立大学機構の設立に向けた取り組みなどについて説明を聞き、中経連・東海連首脳を交えて意見交換を行った。

経済懇談会の開会あいさつで東海連の山本会長は、産業構造の変化や企業経営を取り巻く人手不足等の諸課題を解決・克服しながら、モノづくりを中心とする厚い産業集積を維持・強化し、今後も日本経済を引っ張っていけるよう努力したいと述べたうえで、東海3県に共通する今後の取り組みとして、「交通インフラの整備」と「観光・誘客の推進」に意欲を示した。

続いてあいさつした経団連の古賀審議員会議長は、国際情勢が混迷を極めるなか、2020年はグローバルな経済社会の安定と持続的な成長に向け、わが国がいかにリーダーシップを発揮し、貢献を果たしていけるかが重要だとしたうえで、経団連として、(1)成長戦略の柱である「Society 5.0」の社会実装(2)経済構造改革(3)環境エネルギー政策(4)民間経済外交(5)防災・減災、国土強靱化――などに取り組むと決意表明した。

■ 活力ある地域づくり

「活力ある地域づくり」をテーマとする懇談では、東海側からの問題提起に対し、経団連から、(1)活力ある地域づくりのカギとなるのは「Society 5.0」。この新たな社会の実現に向け、今後は、最先端技術の技術実証にとどまらず、社会への実装を進める必要がある(山西健一郎副会長)(2)成長戦略・財政健全化・全世代型社会保障の構築を一体的に図る経済構造改革が着実に実行されるよう、引き続き政府・与党への働きかけを行う(國部毅副会長)(3)国土の強靱化に向けては、長期的な視野に立った継続的な取り組みが極めて重要(山内隆司副会長)(4)多様な働き手が活躍できる制度や環境などの土壌を整備し、エンゲージメントを高めることで、価値創造力と労働生産性の向上による企業の持続的な成長や、賃金引き上げと総合的な処遇改善がもたらされる(大橋徹二副会長)(5)サイバー攻撃の高度化に対処するため、新技術の導入を予算計画に組み込む必要もあり、サイバーリスクの管理・軽減には経営者の関与が不可欠(篠原弘道副会長)――との発言があった。

■ 産業競争力の強化

「産業競争力の強化」をテーマとする懇談では、東海側からの問題提起に対し、経団連から、(1)令和2年度税制改正における「オープンイノベーション税制」は、幅広いベンチャー投資が対象であり、自社の技術革新に向け、ぜひ活用の検討を(越智仁副会長)(2)Society 5.0時代のヘルスケアを実現するためには、政府や医療界のみならず、個人や企業などあらゆる主体が一体となってエコシステム構築に取り組むことが重要(渡邉光一郎副会長)(3)東海地域にはモノづくりを中心に高い技術力を誇る企業が多く集積。経済界と農業界の連携の裾野をさらに広げ、農業の先端・成長化を確実にするため、引き続き協力を(中村邦晴副会長)(4)経済界では、6月に「Office de Boccia全国大会」を高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)で実施するなど、企業・企業人の輪をさらに広げ、東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げていきたい(早川茂副会長)――との発言があった。

閉会あいさつでは、中経連の豊田会長が、「それぞれの地域が強くなることが日本を強くする」としたうえで、「日本を動かし、世界をリードする中部圏」を目指し、「自らが声をあげ、スピード感を持ってとにかく動く」を基本姿勢に活動に取り組むと抱負を述べた。

【総務本部】

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